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出版社内容情報
高校生のロニーが投げ捨てたタバコから火事になり，ミングルばあさんが焼け死んでしまった。それ以来彼の前に黒猫が…。他３編収録。 小学生高学年から
内容説明
高校生のロニーが投げ捨てたタバコで火事になり、ミングルばあさんは焼け死んでしまいました。おばあさんがかわいがっていた黒猫が、たえず、ロニーの行手に待ちかまえるようになったのは、それからのことです―。表題作のほかに、ストーカーの「牝猫」、リゲットの「ネコ男」、ベネの「猫の王様」など、猫をテーマにした恐怖小説４編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
シリーズ六巻目。本巻のテーマは猫。猫には復讐とファンタジーが良く似合う。四作品が収録されているが、先の二本が復讐、後者二本がファンタジーでホラーにおける猫を十分に楽しめるものとなっている。ブロック「猫の影」とストーカー「古城の黒猫」は飼い主と猫の子を殺してしまった男に降りかかる恐怖だけど、カタルシスはあるが復讐方法がどちらもダイレクト。本邦の化け猫に軍配が上がるかな。ファンタジーは前者がいまいちわからず、後者が幸運を手放してしまった男の話で昔話でもお馴染みの話。猫の神秘と恐怖が良く詰まった一冊でした。2024/07/10
藤月はな（灯れ松明の火）
62
『著者謹呈』（ルイス・パジェット）のメグと同じく、猫は愛するものを害されたら執念深く、機会を伺い、復讐を遂げる。この巻の半分はそんな猫たちの活躍を描いています。ロバート・ブロックの「猫の影」はあることわざを体現した作品だ。甘やかしてくれる環境、悪事を働いても要領良く、こなしてきたロニーにとって人生はイージーモードの筈だった。煙草の不始末によって焼け死んだミングルおばあさんの愛猫が付き纏うまでは・・・。相手が良心の呵責を覚えるかなんて気にせずに最も効果的な復讐を遂げる猫に胸の内で喝采を挙げていました。2024/09/14
ニミッツクラス
27
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉99 年（平成11年）の税抜1300円の単行本初版。岩崎の恐怖と怪奇名作集（全10巻）の6巻目で4編収録。ヌコ好き垂涎の怪奇アンソだけど、ジュブナイル版。胸クソ悪いブロックの巻頭作と2話目ストーカ「古城の黒猫」は因果応報物。後者は「牝猫」として各社から出ているが、読むなら純正短編集「ドラキュラの客」かな。ベネーの「猫の王様」は含蓄ありそうな構成が面白く、それだけに尻切れ感がたまらん。表紙折返しの収録作品一覧は大誤植あり（リゲット「ネコ男」）。★★★★☆☆2025/08/24
Kouro-hou
27
児童向けにリライトされた怪奇小説全集6/10。テーマは「猫」という事で猫の登場する4篇で構成。ただしこの手の猫アンソロジーは大抵猫がひどい目にあうか猫にひどい目にあわされるので猫好きには辛いトコロ。ましてやロバート・ブロックにブラム・ストーカーってどう考えてもお子様向けではありません。それでもストーカー「古城の黒猫(「牝猫」でよく知られる)」で悲劇に会う前の短い親子猫のじゃれ合いは可愛らしいです。ベネー「猫の王様」は童話「猫の王様」を元にした派生系。猫の恋路を邪魔するヤツは幸せにはなれないのです。2015/11/30
くさてる
20
児童向けホラーアンソロジー六冊目。ブロック「猫の影」はラストの残酷さがいかにもブロック！という感じでお気に入り。ストーカーの「古城の黒猫」は、子猫にあんなことしたやつはああなってしまえとしか思わなかったな…。ベネー「猫の王様」は童話めいて可愛らしく、好きな一作。ジョーゼフ「茶色の猫」も寓話なのかな。みんな、猫は大事に。2024/09/07
