あやかし草子―みやこのおはなし

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198632281
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

古き都の南、楼門の袂で男は笛を吹いていた。門は朽ち果て、誰も近づくものなどいなかった。ある日、いつものように笛を吹いていると、黒い大きな影が木立の中に立っていた。鬼だ。だが男は動じず、己を恐れない男に鬼はいつしか心を開き…(『鬼の笛』)。いにしえの都に伝わるあやかしたちを泉鏡花文学賞作家が紡ぐ最新作品集。

著者等紹介

千早茜[チハヤアカネ]
1979年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。幼少期をアフリカ・ザンビアで過ごす。2008年「魚」で第21回小説すばる新人賞受賞。翌09年、単行本時に改題した同作『魚神』(集英社)で第37回泉鏡花文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

168
千早作品初読み。人ならぬものたちの純粋さや優しさに心が震えるような、何ともせつなく美しい六編のお伽噺。人間の豊かな感情を滑稽に思いながらも、心のどこかで少し理解してみたいと願うあやかしたち。"悪い者など人の世にしかおらん"そんな彼らの通念が、人との交流によって僅かながらも解け、形を変えていく様子に、どこか安堵にも似た温かな余韻が残る。マイベストは、人間が流す涙という不思議なものの理由を知ってみたいと願ったムジナの物語「ムジナ和尚」、互いを必要とし合う天狗と姫の、心の繋がりが情熱的に描かれた「天つ姫」。2017/01/23

❁かな❁

101
お気に入りの千早茜さん作品を読むのは7作目。仲良しのお気に入りさんがプレゼントしてくれました!こちらは和テイストのあやかしと人にまつわるお話です。6編の短編集。千早さんはこういう幻想的なお話も書くのが得意だなぁと思います!もちろん現代のお話もとても好きです♪だけど、この独特の空気感も千早さんらしいと思いました。それぞれ切なかったり、寂しい雰囲気の作品でした。綺麗な文章で読みやすかったです!私は「ムジナ和尚」も印象的でしたが、この中では「天つ姫」が一番良かったです☆ラストも良かったですし交流も素敵でした♪2014/03/09

あも

84
鬼の笛/ムジナ和尚/天つ姫/真向きの竜/青竹に庵る/機尋。モノクロの音を感じた。音に対して不適切な表現かもしれないが、そんな音色。デビュー作『魚神』を彷彿とさせる筆致。鬼、天狗、龍…人ならざる物は人と出会うことで初めて物語を産む。理解の及ばぬ物まで引き寄せ理解しようとするところに人の哀しさと素晴らしさがある。獣も妖もとても純粋で自身のルールに忠実だ。約束を違えるのはいつも人の方。「天つ姫」のラストの静かな美しさに心が揺れる。渺々と鳴る風の音、茫々と響く笛の音。表に出ない心を塗り込めた墨絵のような単色の音。2018/02/13

nico🐬波待ち中

80
人と妖かしの関係に想いを巡らせる6つの短編集。大人向けのちょっとヒヤリとする「日本昔話」のような物語。特に「ムジナ和尚」「天つ姫」「真向きの龍」が切なくて泣ける。妖かしの目から見た人とはなんと強欲なことか。人は恐れたり憎んだり喜んだり悔しがったりと幾多の感情をさらけ出す生き物だ。そんな人を惑わす様々な妖かし達。妖かしの一人(匹?)のセリフ「私は嘘はつきません。嘘をつくのは人だけです」に衝撃を受けた。そして人の流す涙に妖かし達は衝撃を受けたに違いない。切なさと優しい余韻の漂うお伽噺だった。2017/05/24

よこたん

73
“あなたは青草の香りを知っている? 秋の落ち葉の甘い匂いや真夏の滝つぼの冷たい清水、干藁の陽の香り、露に濡れた苔の手触り。” な忘れそ。目に見えるものだけが全てではない。自然があり、そこに息づき寄り添うものがある。人はそこでかりそめの時を得ているだけなのに、まことに厄介な者達である。あやかしを勝手に恐れ無体なことをする。有名な昔話とほんのりつながっているような、6つの話。「天つ姫」の勇ましい天狗の梁星と風変わりな姫のやりとりが微笑ましく、予想と違わぬ結末に涙涙。杉の大木の間を駆け飛ぶ天狗…そうだったのか。2017/06/16

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