出版社内容情報
未来のワインの値段を決め、症状から病気を予測し、最適の結婚相手まで判る「絶対計算」とは。気鋭の計量経済学者による興奮の書。
内容説明
ワインの将来の価値を予測する。症状の統計から病気を診断する。脚本段階で興行収入を最大化する。そしてあなたに最適な結婚相手まで決めることも、「絶対計算」が可能にする!IT時代の兆単位のデータがもたらす新世界ビジネス戦略。イェール大学気鋭の計量経済学者がわかりやすく書いた知的大興奮の書!文庫版は補章追加。
目次
序章 絶対計算者たちの台頭
第1章 あなたに代わって考えてくれるのは?
第2章 コイン投げで独自データを作ろう
第3章 確率に頼る政府
第4章 医師は「根拠に基づく医療」にどう対応すべきか
第5章 専門家vs.絶対計算
第6章 なぜいま絶対計算の波が起こっているのか?
第7章 それってこわくない?
第8章 直感と専門性の未来
補章 革命は続く
著者等紹介
エアーズ,イアン[エアーズ,イアン][Ayres,Ian]
イエール大学教授。経営学部と法学部の両方に籍を持つ。データ分析によって問題解決の道筋をつける「絶対計算家」として名高い
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
翻訳家・評論家。大手シンクタンクに勤務のかたわら、経済、文学、環境問題など広範な分野で先鋭的な内容の書を翻訳、紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
54
本書の原題は『Super Crunchers』。絶対計算者たちという意味だ。2007年に上梓されたものなのだが、絶対計算が世界を支配しているという実感はない……が、インターネットが普及して統計調査が低コストでできるようになった今、cookieを使った追跡型広告を含め、消費者の知らないところで普通に支配されているのかも知れない。標準偏差を用いた2SDルールという考え方を有効に使えるようになりたいと思った。2020/12/10
hit4papa
27
回帰分析や無作為抽出、標準偏差といった統計手法を用いるデータマイニングの有効性を解く書籍です。タイトルから想起されるような経営戦略本ではありません。読みものとしては面白いのですが、受け入れるかは読者次第でしょうか。
速読おやじ
26
文系一筋の私ですが、数学は得意な方で、大学受験も数学が入試科目にあるところをわざわざ選んで受けたくらい。社会人になってからは数学に触れる機会は減ったけど、運用の仕事をするようになって統計を勉強しなくちゃ!と思い、娘が中学に入ってからも数学の問題を解かされるようになり、もはや数学とは切っても切れない関係に。さて、この本はヤバい経済学やクルーグマンの翻訳で有名な山形さんの訳で、非常に読みやすい。データを集めて絶対計算でやった方が上手くゆくという例をこれでもかと見せつける。時間かかったけど、超面白かった!2013/09/02
ふろんた
21
昔から気になっていた本だったが、「ビッグデータ」に関する本だったのか。大量データによる解析が経験豊富な専門家たちに非難、嘲笑されながらも打ち勝っていく様が面白い。業務で活用するなら関係部署の反発は必至だな。2016/11/17
おおにし
19
日本ではビックデータがブームになったのはここ数年のことだが、米国ではこの本が出版された2007年には絶対計算という名前ですでに普及しており、様々な分野で意思決定に使用されていた。絶対計算による機械診断の方が、人間の医師が行う診断よりも誤診が明らに減少するし、コンピューターが弾き出した授業マニュアルに従った授業をすれば、どんな教師も生徒の学力は飛躍的に伸ばせることも周知の事実のようだ。AIの躍進に世間は騒いでいるが、我々はすでに意思決定を機械に奪われる時代に生きていることを自覚しなければならない。2017/03/18