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鵜頭川村事件

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  • サイズ B6判/ページ数 412p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163908281
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

父と娘が久しぶりに訪れた、亡き妻の故郷。雨が降りしきる中、若者の死体が発見される。土砂崩れで孤立した村が狂気に陥いる――。父と娘は、閉ざされた村での狂乱から逃げられるのか――

狂気が狂気を呼ぶ、パニック・ミステリー!



一九七九年、夏。亡き妻・節子の田舎である鵜頭川村へ、三年ぶりに墓参りにやってきた岩森明と娘の愛子。突如、山間の村は豪雨に見舞われ、一人の若者の死体が発見される。村の有力者・矢萩吉郎の息子で問題児の大助が犯人だと若者たちは息巻くが、矢萩家に誰も反抗できず、事件はうやむやとなる。抱えていた家同士の対立が顕在化し出し、若者たちは自警団を結成する。動き始めた狂気がさらなる狂気を生み、村は騒乱に巻き込まれていく――

櫛木 理宇[クシキ リウ]
著・文・その他

内容説明

一九七九年・六月。亡き妻・節子の田舎である鵜頭川村へ、三年ぶりに墓参りにやってきた岩森明と娘の愛子。突如、山間の村は豪雨に見舞われ、一人の若者の死体が発見される。村の有力者・矢萩吉朗の息子で問題児の大助が犯人だと若者たちは息巻くが、矢萩家に誰も反抗できず、事件はうやむやとなる。抱えていた家同士の対立が顕在化し出し、若者たちは自警団を結成する。動き始めた狂気がさらなる狂気を生み、村は騒乱に巻き込まれていく―父と幼い娘は閉ざされた村での暴動と狂乱から逃れられるのか。狂気が狂気を呼ぶ、パニックサスペンス!

著者等紹介

櫛木理宇[クシキリウ]
新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で日本ホラー小説大賞読者賞、『赤と白』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

173
昭和54年。集中豪雨による災害で陸の孤島と化した北越の鵜頭川村。権力を持つ家は肥え村人に主従を誇示し、外界を知らぬ親は子供に、男は女に、狭い常識と絶対的服従を強いる。才能と金無しにはおいそれと村を出られぬ貧しい現実があり、生涯を村で終える者が大半だ。それら負の要素が蓄積し膿みやがて暴動へ繋がる群衆心理のメカニズムを核に、力で捩じ伏せる恐ろしさを圧倒的臨場感で読ませる。狭小な世界でやりたい放題の大人、己の鬱屈に他人を巻き込む愚かな若者の正気の沙汰と思えぬ所業に、見聞を広げることが如何に大切かを改めて思う。2018/09/04

nobby

171
『鵜頭川村事件』とは昭和54年に発生した内乱事件のこと。閉鎖的なムラでの恐怖からやっと抜け出し、ふと現実を目にしてホッとする…村の統治をめぐり、地主と小作人そして工業を興した一族間で二転三転する立場が、いつぞや生んだ怨恨。一方で、お互いに「半人前」「腰抜け」と嘲笑し合う若者と大人達の険悪模様。さらに潜むのは、都会・インテリなどへの嫉妬。これらが大水害による土砂崩れでの孤立をきっかけに解き放たれ、誰もが心底に抱える狂気に繋がる様は末恐ろしいばかり…自警団という名の扇動で皆が狂っていく描写にも思わずたじろぐ…2018/11/10

machi☺︎︎゛

145
亡き妻、節子の故郷の鶏頭川村に久々に墓参りで訪れた岩森明と娘の愛子。一泊して帰る予定が大雨により交通手段が途切れた。そこから思いもよらない展開になって想像もできなかった結果に。ただ墓参りに来たはずだったのに、こんな事になるなんて誰もが想像できなかっただろうと思った。昔からの拘りや風習のある閉ざされた村や集落の話は好きだけどこの本はただただ怖かった。私の中ではパニックホラーに分けられる内容だった。2021/08/02

モルク

133
昭和54年亡妻の墓参りに妻の故郷鵜頭川村を訪れた岩森と幼い娘愛子は、そこで豪雨土砂崩れにあい足止めをくらい、親戚の離れに滞在することとなる。そんなとき村の若者の死体が発見される。閉ざされた村での対立、今までの圧迫に対する憎悪が膨れ上がり、若者の暴走が始まる。青年たちはリーダーに憧れ崇拝し、リーダーとその取り巻きは己の姿に酔う。かなりリアルな展開と、それをただ見つめおののく自分がいる。今は年配の人しか使わない(私も聞けばわかるが話せない)新潟弁を表現できる櫛木さんってすごい。2018/11/23

あきら

132
土、それも泥々とした色と臭いが物語を通じてずっと明確にイメージされた。 泥臭さみたいな少し前向きな表現とも違う。 今の自分にはそういう臭いを感じないんじゃなくて、感じまいとしてるのかな。結構読み手の想像力を頼りにしない感じで、分かりやすいお話で、一気に読んでしまいました。 2020/12/05

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