出版社内容情報
羽衣の異名を持つ女渡世・お炎は、最新式六連発銃・コルトM1847片手に佐渡へと渡る。江戸の暗黒街を描く人気時代小説第二弾！
内容説明
「あたしは羽衣お炎。こう見えても、江戸じゃあちっとは知られた稼業人さ」四年前に佐渡へと送られた無宿人。嘘か真か、それが想い人の青峰信三郎らしい。“羽衣”の異名を持つ女渡世人のお炎はそんな噂を聞きつけ、アメリカ製の最新式六連発銃・コルトＭ１８４７を携え信三郎を探す旅に出た。しかし佐渡の金山には、「オドロ様」なる奇怪な像を信仰する邪教が広がっていた。オドロ様一党と対立し、追い詰められたお炎はコルトを抜くが、やがて恐るべき陰謀に巻き込まれる―。濁流のようにうねる物語。圧倒的なリーダビリティを誇る時代長編！
著者等紹介
月村了衛［ツキムラリョウエ］
１９６３年大阪生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。２０１０年、『機龍警察』で小説家デビュー。２０１２年『機龍警察 自爆条項』で第３３回日本ＳＦ大賞を受賞。２０１３年『機龍警察 暗黒市場』で第３４回吉川英治文学新人賞を受賞。２０１５年『コルトＭ１８５１残月』で第１７回大藪春彦賞、『土漠の花』で第６８回日本推理作家協会賞（長編及び連作短編集部門）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ～ 1件／全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
183
月村了衛は、新作中心に読んでいる作家です。私のルーツである佐渡島を舞台に、江戸拳銃冒険活劇が展開します。一昔前だったら、美空ひばり主演で映画化されたかも知れません。本書も広義の薩摩モノ（西郷隆盛は登場しませんが･･･）でしょうか？2018/02/09
しんたろー
164
今回も「江戸時代に６連発銃」という設定を軸に佐渡金山での陰謀をド直球で描いたサスペンスアクション…主役を女侠客・お炎にしたのが功を奏して、前作とは違った味わいで楽しめた。お炎が「純な恋心」を原動力に大奮闘するのが共感できるし、支える玄人衆も格好いい‼内容は違うが『キルビル』を観た感覚だ。人間関係が複雑に絡み社会性を盛り込んだ『機龍警察』シリーズは大好きだが、単純に楽しめる時代活劇も描ける月村さんは「凄いなぁ！」と素直に感心した。それにしても、こういう大人も楽しめるＢ級作品を邦画界でも創って欲しい(^^♪2019/04/15
サム・ミイラ
134
私が米映画「グロリア」を好きでたまらぬ理由。全てはラストにあります。この羽衣はまさにそんな作品。たまにはこういうのもいいなと思います。前作があまりに整然としてそれしかないだろう終わり方だったためか。好みは分かれると思うけれど私はどちらも好きですね。第三弾がどんな話になるのか今から楽しみです。2018/02/23
yoshida
121
江戸末期。女渡世人の羽衣お炎は佐渡に渡る。消息の途絶えた想い人である青峰が、佐渡金山で働かされているらしい。お炎は最新式の銃、コルトM1847を忍ばせ青峰の消息を探る。佐渡金山に暗躍する島津の姿。お炎は豪商四海屋の助けの下、玄人たちと共に謎を探る。実に痛快なエンターテイメント作品。女渡世人に六連式のコルトが似合う。身分の鬱屈や、あまりに過酷な佐渡金山の労働状況も言葉を失う。玄人達と島津隠密達の意地のぶつかり合いも読ませます。何よりお炎が粋で良いですね。エンターテイメント作品として、とても楽しめた作品です。2020/02/01
のり
106
お炎は、失踪した想い人の青峰信三郎を探す為に奔走する。縁ある四海屋の協力を得て情報を集め佐渡金山へ…待っていたのは不穏な現実。奉行所・薩摩藩士・邪教「オドロ様」。次々と襲いかかってくる敵。そんな中、「おみん」と出会い、四海屋が手配してくれた玄人集団と共に、コルトを気持ち良いくらいぶっぱなす。それにしても金山で働く環境の厳しさにはいたたまれない。今作も派手な立ち回りを存分に堪能した。2018/08/18
