カウントダウン・メルトダウン〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 475p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163761602
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「もうだめか」米軍横須賀基地から空母が離脱。首都に被害が及ぶことを想定、首相談話が準備された。日米要人170名余に徹底取材。

目次

トモダチ作戦
海軍vs国務省
ヨコスカ・ショック
ホソノ・プロセス
最悪のシナリオ
キリン登場
SPEEDIは動いているか
飯舘村異変
計画的避難区域
落城一日
神の御加護

著者等紹介

船橋洋一[フナバシヨウイチ]
日本を代表するジャーナリスト。歴史を動かした国際的な事件や合意の舞台裏とその歴史的意味を、各国の政権中枢にまで入り込んで描き出すという手法を得意とする。通貨交渉の舞台裏を追った『通貨烈烈』(1988年吉野作造賞)、90年代の日米同盟の質的転換を浮き彫りにした『同盟漂流』(1998年新潮学芸賞)、2000年代の朝鮮半島核危機をめぐる六カ国協議を多面的に描いた『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』(2006年)などの著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

93
東日本は壊滅するのか、下巻は危機をコントロールできない日本に危機感を 感じた米国の立場でも描く。9.11テロ以降、国家における 「危機管理と復元力」を重要視 する米国でも未経験の事故。横須賀でも放射能が検知され、 そして米海軍まで撤退か、まるでSF映画のような出来事が 現実の日本で発生したのだという 事実を改めて認識できる、そんな本である。それにしても、日本では 誰が決めているのか、支援のされ方を知っているのか。将来の有事を 考えた場合、不安の残る読後感であり、日本の組織社会の問題点を顕にしてくれている。2013/09/16

壱萬弐仟縁

35
米政府内部での憶測として、 「日本の経済・技術大国の神話の虜 になっているのではないか」(18頁)。 裁判で負けても、控訴してまで 正当化するあたり。 ドイツは2022年までに廃炉なのに。。 50マイル≒80キロの退避指示(64頁)。 飯館村はすっぽりと入るので、 最初からそうしていれば被曝被害も 少しは免れたかもしれない。 横須賀でも放射能(78頁~)というのは、東京湾 方向に抜けた放射能大気があったためだろう。 「技術の破綻を技術的に克服する技術の 安全弁そのものが機能しない」(231頁)。  2014/05/22

金吾

25
○米サイドを描くことにより、日本の危機管理の弱点がより浮き彫りにされたように感じました。〆の言葉が重く感じられました。責任をとるべき人たちは結果的にとらずにコースを進むのも帝国陸軍、海軍と一緒だなとも思いました。すごく読みごたえがありました。2023/12/01

モリータ

15
◆前半は米側の動きが中心。目を覆いたくなるのは、核テロへの対応の甘さ(14章、pp.110-115)と、後半のSPEEDIをめぐる問題。文科省は運用、評価、公表の責任を負わず、原子力安全委員会へ丸投げ。その運用不全の要因は、①住民避難に生かす意思の希薄さとゲームプランの不在、②ガバナンスの欠如(政・官の役割規定が曖昧、意思決定過程と指揮系統が確立せず)、③パニック回避と言う名のリスク回避、④官僚機構に特徴的な縦割り行政と消極的権限争い、⑤「実物以上、現実以上の存在」として政治的、行政的に利用されたこと。2022/02/24

yokmin

12
第1級のノンフィクション。同じようなことを何度も書く反復は一切ないし、登場人物の心中を勝手に推測して書くこともない。すべて証言に基づいている。日本は原発事故への準備が全く不十分であったようだ。トム・シーファ元大使の2008年外交電報「・・原発事故対応には手を打っているが、想定外事態にはあまり役に立たないかもしれない」「官僚組織の縦割り構造とリスク回避のメンタリティーが壁となって、脅威への準備が不十分で、脆弱性を高めている」  いずれにせよ、日本は幸運にも首の皮一枚でつながり、助かった。強運な国である。2013/10/14

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