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一刀斎夢録〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163298504
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報


[内容]
大正という新時代に違和感を覚える梶原中尉は、1人の元巡査を訪ねる。その老人こそは新選組最強の剣士でありながら維新の動乱を生き延びた斎藤一であった。龍馬暗殺、会津戦争、近藤勇ら隊士の末路……老人の語りに魅せられた梶原は、実は全ての話が無名の少年隊士・鉄之助につながることに気づく。土方歳三最後の写真を箱館から持ち帰った、寄る辺ない少年と斎藤一との哀しくも凄絶なかかわりとは――。

戊辰の激動を生き残った新撰組隊士たちが、敵味方で相まみえる運命の悲劇。歴史に消えた者たちの悲痛な叫びが胸を打つ感動大作。

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内容説明

悪鬼の所業と言わば言え。土方の遺影を託された少年隊士と斎藤。二人の縁は慟哭の結末へ。浅田版新選組の真骨頂。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

財布にジャック

120
浅田さんが、土方さんを神と書いてくれて、ファンとしては物凄く嬉しかったです。しかしそんな喜びも長くは続かず、あと残り十数ページというところまで我慢しましたが、予想通り涙腺が決壊してしまいました!斎藤さん、まさかこういうオチとは想像してませんでした。勘弁してください。許してください。参りました。2011/02/15

文庫フリーク@灯れ松明の火

119
この結末に、ほっとしたと云うのが正直な感想。斎藤の独白『遠慮のう、毒を吐かせていただく』に、二人の邂逅が、えぐい結末になること覚悟していたため、泣く余裕がありませんでした。情においては忍びないものの清涼感さえ漂う結末。鉄之助は鏡に映した斎藤自身であったのですね。幕末から大正を新撰組を通して描きつつ、鬼にも仏にもなる人間の、濃密な情の物語を読んだ気がします。司馬遼太郎さんの描かれた幕末〜近代を正調とするならば、浅田さんはエンターテイメント・鬼の正調。渇えているのは読み手?それとも書き手でしょうか。2011/03/10

chimako

104
西南戦争 薩摩兵の中にもう一人の己を見た。太刀筋も身のこなしも紛う事なく我自信。それはかつて「生きよ」と、「生きてくれ」と手放した市村鉄之助であった。喰わしても喰わしても大きくならなかった体は立派に育ち鬼の如くに官軍を斬って斬りつつ前を向く。鉄之助と土方との別れはまさに今生。2度と生きては相見る事なしの悲哀が滲む。我身ひとつで一兵卒として雇われた鉄之助の想いはいかばかりか。新撰組斎藤一は死時を得たがに見えたが。鉄之助末期のつぶやきと久米部の慟哭。「かたじけのうございました。生きて下さい」斎藤は生き抜いた。2017/02/24

藤枝梅安

95
近衛中尉・梶原に託す藤田五郎こと斎藤一の述懐は続く。下巻は新選組の甲府攻めの話から始まり、土方・永倉など主要な隊士たちのその後をたどっていく。話は西南戦争に秘められた驚くべき密約に及び、さらに斎藤にとって忘れることのできないある人物に関する述懐へとなだれ込んでいく。「話を最後まで聞けば剣を捨てたくなるぞ。」という斎藤の忠告にもかかわらず梶原は斎藤の話を最後まで挑むように聴く。そして、大喪休暇の翌日に急きょ催されることなった榊との対決に向かうのだった。戊辰戦争に生き残り明治を生きた人々の複雑な思いが切ない。2011/03/29

優希

86
一くんは最後まで自分を貫いて生きたのだなと思わされました。甲州、会津、西南戦争と戦いを経て変わっていく時代の中で生きたのですね。鬼となるしかなかった争いの日々。剣の道はかくあるべきという想いだけが貫かれていたのでしょう。警察官となった今、改めて自らが剣を握っていた時代は1つの夢だったように思い起こされるのでしょう。2018/05/23

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