著者等紹介
ブロック,ロバート[ブロック,ロバート][Bloch,Robert]
1917‐1994。シカゴ生まれ。17歳で『ウィアード・テールズ』にデビュー。コピーライターのかたわら作品を発表する。1959年の『サイコ』が映画化されて人気作家となり、その後は脚本家としてハリウッドでも活躍した。コリア・ヤングなどの別名義作品も多い
小笠原豊樹[オガサワラトヨキ]
1932年北海道生まれ。詩人、ロシア文学研究家、英米文学翻訳家。ロス・マクドナルド、ミッキー・スピイレン、アガサ・クリスティーらの作品などを翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
25
アルフレッド・ヒッチコックが映画化した「サイコ」の原作者のラストの一文にひやりとする恐怖話。「治療」、「わたしの好みはブロンド」、「あの豪勢な墓を掘れ」、「ベッツィーは生きている」、「針」がお気に入り。「壊れた夜明け」は核兵器を使った戦争ともう、取り返しがつかない状態になっているのにまだ、気づかない人間の愚かさを暗喩しているようで本当に怖かったです。「うららかな昼下がりの出来事」は何でもフロイトの性的欲求論が適応すると思う精神分析者への皮肉としか思えません。本人が幸せならば問題はないのだ。2012/10/25
たまご
16
作者の血が冷たいのかしら,と思いました.coolっていうより,cold.理知的な分,coldかな~.2016/12/30
Meg Mog
12
「針」が良かった。どの話も淡々としつつもちゃんと怖い。出張先のビジネスホテルで読みたい←分かり辛ッw「最後の演技」、早見純の漫画で似たようなのがあった気が…2020/01/22
ハルバル
8
忘れがちだけどブロックって、例のウィアード出身者でラヴクラフトフォロワーなんだよな。いやこの年代の短篇作家はだいたいそうだけど。だからたまに出るホラー玄人らしき表現にニヤリとさせられる。前半はさすがに古いかなと思ったが、後半は面白かったかな。特に「針」と「ほくそ笑む場所」。後者は、もし最初に襲われたのも狂言だとしたら、嘘から出た真ってことで、ダーレス「寂しい場所」のダーク版みたいでいいなぁ。あとはユーモアのある「わたしの好みはブロンド」、「本音」が好きかな。ビート族への揶揄や核戦争の危機は時代を感じた。2017/08/03
mejiro
6
「ショウ・ビジネス」「あの豪勢な墓を掘れ!」「野牛のさすらう国にて」「ほくそ笑む場所」が特におもしろかった。「あの豪勢な墓を掘れ!」はジャズがテーマの作品。今までジャズを描いた小説を読んでもよくわからなかったけど、これを読んで少しだけジャズの魔力を感じ取れた気がした。2015/09/05