内容説明
“サラセン”のテロ計画は、ついにその準備を終え、実行の日が迫っていた。かすかな手がかりをつかんだ“ピルグリム”は、最後の望みをかけて“サラセン”の過去を追う。まったく姿の見えなかった敵の姿がおぼろに浮かびかけ、衝撃が“ピルグリム”を襲う。だが、計画決行までの時間は残り少ない。意を決した“ピルグリム”はついに危険極まりない賭けに出るが…雄大なスケールで驚異のマンハントを描く超大作、完結!
著者等紹介
ヘイズ,テリー[ヘイズ,テリー] [Hayes,Terry]
1951年イギリス生まれ。「シドニー・モーニング・ヘラルド」紙のアメリカ特派員として働く。そのころ映画監督ジョージ・ミラーと知り合い、「マッドマックス」(1979)のノヴェライズを手がけたことから脚本家に転じた。脚本家デビューは「マッドマックス2」(1981)。以後プロデューサー、脚本家として活躍。『ピルグリム』が小説デビュー作
山中朝晶[ヤマナカトモアキ]
1970年北海道生、東京外国語大学外国語学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
226
最終巻はサラセンを追う ピルグリム視点で描かれる。 文体が簡潔で小気味良い。 サラセンと電話で話を したジュリアは何者なのか? サラセンは何をしようと しているのか? サラセンの正体に近づく ピルグリム…アメリカと イスラムの根深い対立、 地球規模のスパイ小説は、 テンポよくクライマックス へと読者を誘う。 映画にするとどうなるのか、思わず想像してしまう、 そんな展開だった。 2015/02/01
GAKU
72
第3巻、いよいよ完結!遂にピルグリムはサラセンを突き止め、おびき出す。終盤の二人の対決は圧巻。そしてこのために1巻、2巻の伏線があったのか。3巻はもう途中で止めることが出来ず、今朝は寝不足。文句なく面白かった! 2018/02/21
Panzer Leader
53
んー、これはちょっと評価が難しい作品だなあ。三部作なら3で一番盛り上がらなくていけないのに、自分の好みでは1>2>3。折角深く掘り下げて描いて来た冷酷無比なサラセンとの対決だったのに、ちょっと尻切れトンボのような終わり方。謎の女性の方がよっぽど肝っ玉が据わっている。1で期待値を上げ過ぎてしまったとはいえ、それでも総体的には平均以上の出来ではある。自分の好きなジャンルのスパイ小説だけにちょっと評価が厳しいのもこれからの作品への期待感があるから。2016/01/07
キムチ27
51
1,2巻のストーリーテリングが余りにも濃密、緊迫感があった為、思いの外あっさり終わった。とはいえ、1200ページに及ぶ1人称の語りが時には重苦しくもあり、すらすらとは読めない。テロリスト「サラセン」VS諜報員「ピルグリム」何れも単語の意味が先に頭に入ってくるからか、人物としての温度が今一つ把握し辛く、語るセリフに共感が持ち辛かった。舞台はトルコだが国際的な展開は「今、我々が生きている現代」を改めて認識させられるようで、知らない事が多すぎる私には、小説を読みつつ、現代社会学、国際政治論の勉強をしている気分。2016/04/05
RIN
47
大満足の読後感(^_^)v。第1巻を読み始めた時に予想していたのと全く異なる方向へ展開していったが、これはRラドラム『暗殺者』を初読した時の興奮と似ている。著者の経歴からしてハリウッド的なアメリカ=世界の正義&善かと思いきや、サラセンの背後描写もなかなか読ませるし、現代のテロリズムって…?と考えさせられもした。スピード感と緊迫感に溢れ、後ろの頁をちょい見したい誘惑と闘いながらも、ピルグリムの生きる世界に浸っていたくもあり、でぐずぐず時間をかけて読んでしまった(笑)2017/07/28