出版社内容情報
災厄で死ぬ人がわかってしまい、死を見続けてきた少女・志緒。ぼくは、死が予期される人を「密室状態」の孤島に閉じ込めて救う!
井上 悠宇[イノウエ ユウ]
著・文・その他
内容説明
自殺、他殺、事故死など、寿命以外の“死”が見える志緒。彼女が悲しまぬよう、そんな死を回避させるのが僕の役目だった。ある日、志緒は秀桜高校文芸部の卒業生4人に同時に“死”の予兆を見た。“そして誰もいなくならない”ため、僕は4人を無人島に招待、安全なクローズド・サークルをつくった。だが、そこに高校時代の墜死事件が影を投げかけ、一人、また一人と―これは、二人にしかできない優しい世界の救い方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
150
寿命以外の死が見える事ができる志緒。だけどその死は回避できる事ができる。回避する役目の佐藤。ある日志緒は4人同時に死の予兆を見てしまう。死を回避するために6人で無人島へ行きクローズドサークルをつくった。だけど思いもよらなかった事が起こり混乱の渦へと巻き込まれていく。名前に隠された秘密や細かい伏線回収、今までにない読んだ事のない形のミステリー。めちゃくちゃ面白かった。2021/04/29
へくとぱすかる
145
ミステリとしてのサスペンス、意外性も楽しかったが、何より誰も殺させず、命を救うことに懸命な二人の姿が爽やかだ。最近のミステリは、作中時間の通りに記述しないことで、ドラマ性を盛り上げているものが多いが、この作品も、そういった技法が抜群の効果をもたらしている。ページ数がやや少なめなので、スピーディに展開して、謎解きや物語がしつこくないことも良かった。2018/09/06
おかむー
101
主人公をとりまく設定や状況が「死なせないためのクローズドサークル」という仕掛けのために用意された感がなくもないけれど、伏線の回収からラストのグッとくる部分まで読後感良く収まったので好感触。『よくできました』。人の死の予兆を見られるヒロイン志緒と主人公・佐藤の軽すぎず硬すぎないやりとりが心地よい。言ってしまえば終始登場人物それぞれの状況説明をする会話劇なのだが、「死なせないミステリ」という変化球を飽きさせないように繋がってゆく展開が見事。シリーズ化をと思わなくはないが、事件の根っこが一回きりなので難しいか。2019/02/03
ひすい ☁︎**
69
題名・表紙に惹かれ購入☑︎寿命以外の【死】が見える「志緒」が悲しむことがないように死を回避させるのが役目の「佐藤」ある日、「志緒」は4人同時の死線を見た。その死を回避させるために無人島へ招待する…誰も死なないミステリーにするために。登場人物の名前や物語の進め方・使い方が凄いと思いました。ノンシュガー。ミステリーはあまり読まないけれど、この本を読んでからミステリー系に挑戦してみようと思いました。続編も買ってぜひ、読んでみたい☺︎2021/04/24
papako
67
タイトル通りのお話でした。男の子が女の子を助けるタイプの小説って、ダメなことが多いんですが、これは素直に楽しめました。ミステリーだって言うけど、秘密をあばくと言う感じではなく、とにかく優しい空気感が良かった。小道具である『傘』がつながって、ラストに謎がとけて、フッと息がつける。そしてノンシュガーの秘密。シオには伝わらないけど、彼女がそう思っていてよかった。いつか伝わるのかしら。さて、次もセールで買っちゃいました。2021/11/29