出版社内容情報
柔らかい食感を好んできた日本人が本格的なフランスパンを作れるようになった背景には、「和洋折衷」力、技術革新、「食卓の革命」があった。日本独自のパン文化と、先人たちの苦闘の歴史をひもとく。
内容説明
米を主食としてきた日本で、空前の「パンブーム」が起きている。日本人お得意の「和洋折衷」力で世界をうならせるほど一大進化を遂げたパン文化。SNSに料理写真が躍り、食マニアが増えた現代だからこそ、百五十年の歴史が生み出した到達点を振り返ることに大きな意味があるだろう。おなかがすくこと必至!パンだけでなく、「食」にまつわる現代の動きがわかる一冊である。
目次
第1章 日本人はパンが好き?
第2章 歴史を変えたパン焼き人たち
第3章 カレーパンは丼である
第4章 西洋のパン食文化
第5章 フランスパン時代の幕開け
第6章 ホームメイドのパン
第7章 私たちの主食文化
著者等紹介
阿古真理[アコマリ]
1968年兵庫県生まれ。作家・生活史研究家。神戸女学院大学卒。食や暮らし、写真、女性の生き方などをテーマに執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
57
副題の方が的を射ている。明治維新の影響で西洋の食文化も大幅に伝わったが、菓子パンや惣菜パンのような独自の進化を遂げた。焼きそばパンのように炭水化物がダブる物は外国から見ても珍しいようである。皮肉ではあるが、パンは戦争によっても進化を遂げている。第一次世界大戦で捕虜になったドイツの職人が、パンメーカーの元に関係している。軍日清戦争時に米を炊いて敵に発見される事例があったことや、脚気予報のために、軍が店にパン製造を依頼する場合があった。2021/09/18
まりお
57
明治時代に広まったパン作りとパンを食べること。戦前から戦後に掛けて店を開いた方々の歴史。外国人から見た日本のパン。等々、日本のパンの歴史、現在までの好みの移り変わりといったことを紹介。明治から始まったパン作りと店ごとの歴史と特徴がとても面白い。食から明治時代を見ると、そんなに外国を毛嫌いしていない所もあった、それを感じられる。2017/05/05
香菜子(かなこ・Kanako)
36
なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年。阿古真理先生の著書。日本のパンの歴史なんて考えたこともなかったけれど、それがわかりやすくわかる良書。私はパンが大好き。自分が大好きでよく食べている食べ物の歴史くらいは理解しておいたほうが良いかもと改めて思いました。2019/01/13
ふ~@豆板醤
36
メロンパン、カレーパン、あんぱん、、色んなパンにハマってきた過去を経て現在読メ麦部として活動しているので、歴史も知っておこうと手に取った本。日本では当初主食かどうかさえ定まっていなかったパンが徐々に浸透し今フランスパンブームが起きているという変遷はとても不思議(笑)でも何より、メロンパンのルーツが不明だったというのが一番の衝撃!!たくさん有名店の紹介があって、東京遠征の必要性を感じる(^^ゞとりあえず近々PAULのフランスパン食べたい!2016/12/14
kawa
25
日本におけるパンの通史から今のブームを追う。私もパン好き(日本のオリジナルな柔らかいパン)ですが、今がパンブームであることは知らなかった。今度は、日本が世界一になったというハードな皮の本格的フランスパンに挑戦して「なぜ」を実感してみよう。ジョコビッチが小麦粉を避けるノーグルテンの食事を推奨していることがちょっと気になりますが…。2017/01/23