内容説明
二〇一五年の「共同体」設立を目前に、ＡＳＥＡＮに高い注目が集まっている。果たしてＡＳＥＡＮは日本経済を救う鍵になるのか。気鋭のエコノミストが最新の情報をもとに、域内分業化が進む「大メコン川流域圏」、計画中の巨大都市「イスカンダル」、共同体設立で誕生する「六億人超の経済圏」など、生産・物流・消費をめぐる大きな変化を描き出す。目下、激動を続けるＡＳＥＡＮの行方をわかりやすく解説する一冊。
目次
第１章 ＡＳＥＡＮが日本経済を動かす
第２章 「大メコン川流域圏」が生産・物流を変える
第３章 なぜマレー半島の国々は急成長できたのか
第４章 超巨大市場で日本はいかに戦っていくべきか
第５章 ＡＳＥＡＮに「試練のとき」が忍び寄っている
終章 これからのＡＳＥＡＮとの付き合い方
著者等紹介
西濱徹［ニシハマトオル］
１９７７年、福岡県生まれ。第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト。一橋大学経済学部卒業後、国際協力銀行（ＪＢＩＣ）を経て、２００８年より現職。ＪＢＩＣでは、当時のアジア（東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア）地域向け円借款業務のほか、アジア、東欧、アフリカ地域のソブリンリスク審査業務などに従事。現在は、アジアを中心とする新興国（日米欧「以外」）のマクロ経済及び政治情勢分析を担当（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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Kentaro
24
ASEANを市場としてとらえた場合、最も有望な国はインドネシアだという。インドネシアの状況を一言で表すと、1960年代の日本に似た状況と言えるといいます。映画ALWAYS三丁目の夕日ではありませんが、国民の多くが、「明日は今日よりも良い生活ができる」という自信に充ち溢れており、この事が、様々な商品やサービスに対する旺盛な消費に繋がっていると考えられます。２億３千万人を上回る人口のうち、下位中間層を含めた中間層の割合は2020年には５割を上回ると見込まれています。 人の多さを背景に潜在力を期待されています。2019/03/02
かんがく
13
著者はビジネスマンであるため、ビジネス的な視点が中心を占めるが、東南アジア各国の特徴や現状が理解できた。シンガポールをはじめとする海のASEANに対し、インドシナ半島の陸のASEANが経済的に大きく後れをとっている現状がある。ただ、EUを越える人口を持ち、大きな成長可能性を持つASEANは、今後も日本や世界にとって重要な地域でありつづけるだろう。2020/10/01
トゥクトゥク
9
仕事の関係で読みました。世界の工場と呼ばれた中国の時代が終わって、次のターゲットとして熱い視線を浴びているのが東南アジア諸国。そこにはインフラ整備など諸問題もある。。という話だけど、こうした国々を経済の対象国としてだけ見て食いつぶさないように、日本は付き合っていってほしいものです。中国はその点下世話ないので。2015/01/06
isao_key
8
2015年のアセアン共同体設立に先立ち、歴史や経緯、日本との関係、今後の影響などを解説する。アセアンを経済的な観点から基礎を学ぶのにちょうどよい本。近年アセアン内でモノづくりのレベルが飛躍的に向上したことで、これまで国内で生産してもコスト面で優位性が発揮できないものを中心に、廉価で豊富な労働力を確保するためだったのが、アセアンで生産したものを日本に逆輸入するなど、高い技術を要する製品の生産も問題なく可能になり、競争力が高まっている。海のアセアンは汚職や腐敗が少なく、陸のアセアンは逆に高いとは面白い着眼点。2015/01/05
Shun
3
ASEAN諸国と言っても、所得水準、宗教、人種はさまざまであり、ボリュームゾーンは当然大きく異なってくる。 この本を読んでて、発展途上国の開発に関わる仕事してみたいなぁと思った。英語を勉強するモチベーションがまたできた。2017/06/30
