NHK出版新書<br> 死を見つめ、生をひらく

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NHK出版新書
死を見つめ、生をひらく

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140884119
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0210

内容説明

死とは何か?虚無(終着)である―この“定説”が神なき現代社会を縛りつけている。いま、私たちが行うべきは、死の問い方を「何か」から「何でありうるか」と修正し、一人一人が「死すべき私」を起点として自らの生を定義づけることだ。プラトン以来の人生観の一八〇度転回を求める“逆転の思考”を提示する。

目次

第1章 医学は死を背負いきれない
第2章 イエとムラが支えた死生観
第3章 合理主義がニヒリズムを生んだ
第4章 人間を動物化させる資本主義
第5章 「延命」の果てにある「虚無」
第6章 死は「出発」である

著者等紹介

片山恭一[カタヤマキョウイチ]
1959年、愛媛県生まれ。作家。九州大学農学部卒業。同大学院博士課程中退。86年「気配」で文學界新人賞受賞、2001年『世界の中心で、愛をさけぶ』が300万部を超える大ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たかこ

27
死生観について考えていた時におすすめいただいた本。深い深い死についての考察。結局死生観とは、死についての捉え方を問うものではなく、人生観なのではないかと思う。『死の問い方を「何か」から「何でありうるか」と修正し、一人一人が「死すべき私」を起点として自らの生を定義づけることだ。』『死を「諒解」できない社会』文脈がないと自分の死も、他人の死も受け入れることができない。宗教の言葉を借りるにしても、神も仏も一緒にしているような状態では、宗教では言い表せないのかも。難易度高めだったので、理解できない部分も多かった。2022/07/21

17
「人は愛しうる者である、かけがえのないものを生み出しうる者である」そうだとおもう。「技術とは神が人間に仕掛けた罠である」これも首肯せざるをえない。しかし、でも、と言いたくなる。商品化された愛と、そうでない愛の見分けがつくのだろうか。そして、技術のない生活は可能なのだろうか。様々な作家や哲学者の言葉が引用され、理論としてはとても読みごたえがあった。ただ最後、著者は本当に、死を出発とした生き方を見つけたのだろうか?と疑問を持った。2018/06/16

壱萬弐仟縁

13
理解できる死と、諒解できない死、と、二つあるようだ。前者は、生命活動の停止、生命システムの破壊(17頁)。後者は、文脈依存ゆえに出てくるものなのだろう(13頁)。日本人というのは、あまり物事を分析的に考えない傾向にあるという(51頁)。だから、放射能漏れでもタンクが安上がりで杜撰なのに、食の安全や自らの線量への関心は薄い。国木田独歩はワーズワース、トルストイ、ゲーテのファンだったようだ(87頁)。共感。死の虚無に曝されている人間を救えるか?(123頁)著者の裏表紙遍歴は、農学から作家ということで僕に似る。2013/08/28

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