内容説明
真に努力を重ねるとはどういうことか。トラブルに動じない磐石な不動心をどう身につけたのか。六〇〇〇人以上の命を救ったカリスマ医師がはじめて明かす。決してエリートではなかった著者が、医学界の権威・東大医学部の手術室に、天皇の執刀医として招かれるまでの道のりを記しながら、多くの患者を死の淵から救う奇跡のドラマをとおして、高齢化社会の医療のあり方をも問いかける。
目次
第1章 手術は闘いだ
第2章 劣等心の中の探究心
第3章 二倍ではない、三倍働け
第4章 偏差値50の人生哲学
第5章 老春プロデューサー
第6章 医師の覚悟
著者等紹介
天野篤[アマノアツシ]
1955年、埼玉県生まれ。心臓外科医。順天堂大学医学部教授。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院心臓血管外科、新東京病院心臓血管外科、昭和大学横浜市北部病院循環器センター長・教授などを経て現職。2012年2月、天皇陛下の冠動脈バイパス手術の執刀医となる。通算手術数は約6000例、成功率は98%。心臓オフポンプ手術における日本の第一人者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hatayan
48
上皇の心臓手術の執刀医を務めた心臓外科医の自叙伝。 自分は恩師と患者に育てられた。決めた目標に対しては愚直に前を向いて進む。全力で取り組んでも及ばないならばできるように指導するのが上司の役目。しかし、やればできるはずのことが手術でできないのは手抜きと一緒。完全燃焼することの大切さを教えてくれた患者に対してはこちらも完全燃焼で報いねばならない。必ずしもエリートではなかった自分を省みて、努力を重ねることの大切さを説きます。 順天堂大学に着任したときの緊迫感を描いた『あきらめない心』と併せて読みたい一冊です。2020/03/18
tomoya
19
天野先生の本ということで購入しました。 医師のあり方、天野先生の仕事に対するストイックな思い、若いうちの読書、勉強の重要性など学ぶべきことが多かった一冊でした。 能動的に学ぶ姿勢、勉強を一生懸命やるということは見習わなくてはいけないと感じました。2014/11/18
ネコタ
17
天皇陛下の執刀医として有名になった心臓外科医・天野先生の本。チームバチスタや医龍の監修も手がけている。医者の仕事を滅私奉公として仕事にとても厳しく取り組んでいる。テレビやメディアの写真では穏やかそうな方なのに仕事中(手術中)はとても厳しいそうだ。意外。2015/09/27
Sato
14
天皇陛下の心臓手術の執刀医として有名になった天野医師の手記。神の手、天才外科医などと紹介されているが、医療界だけでなく、スポーツ、化学、ビジネス…どんな分野でもその道を極めた人は、日夜非常な覚悟で努力することを続けている。そして謙虚だ。手術に妥協することは命に妥協すること。人の命を預かるということは、自分の欲求に抗う覚悟が必要。また教授として後進の育成にも力を入れておられるが、「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」自分自身も成長し続けなければいけないと、かなりストイックだ。2018/09/30
ひよピパパ
11
心臓外科医天野篤がこれまで歩んできた人生を振り返ってまとめた手記。そのキャリアは決してエリートコースを辿ってきたわけではない。しかし、逆にだからこそ得てきた愚直なまでの努力の跡を、本書を通して知ることができる。その仕事観、プロフェッショナリズムには、心を熱くさせられる。医学志望の学生にはぜひ読んでもらいたい一書だ。2019/06/16