出版社内容情報
徳川の世から明治へと大きく変貌する時代を生きた、画鬼・暁斎。その卓越した画業を生み出したものは何だったのか。本書は、「狂画」という視点から暁斎の作品を綿密に分析、新しい技法や表現に挑み続けた絵師の全貌に迫る。従来の研究を問い直す、暁斎研究の最先端。
目次
河鍋暁斎と狂画
第1部 狂斎としての形成期―本画と狂画(「狂斎」以前―“竹生島詣”と“月下唐美人図”を中心に;能狂言画が橋渡しをした版画の世界―『絵本大和錦』と関連作品;幕末の狂画―時事的風刺浮世絵の時代 ほか)
第2部 狂斎から暁斎へ―狂画が広げた表現の可能性(新しさへの関心―イソップ物語と西洋;現実世界と絵空事の交差点―田鶴追善作品群;蛙、鬼、鴉の表象に見られる自己投影)
第3部 晩年の暁斎―『暁斎画談』のメッセージ(『暁斎画談』の成立―近世絵本文化からの連続;流派を超えて―新時代の画譜;筆意と写生の合致―今日的問題に対する関心)
「本」と「狂」の融合―新しい時代の絵を模索して
著者等紹介
定村来人[サダムラコト]
1982年東京生まれ。現在、イスラエル・ゴールドマン・コレクション・キュレーター、大英博物館アジア部客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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