出版社内容情報
日本美術から染色や工芸、グッズや和菓子、そして現代アートまで――兎の表象から見えてくる日本文化の伝統と創造。写真105点。
日本美術から,和歌や俳諧,染織や工芸,グッズや和菓子,現代アートまで,親しき動物の表象から見えてくる日本文化の特質とは? これまでの美術史や民俗学の枠に収まらない,広汎な分野を渉猟した方法によって,文化の伝承あるいは創造という現代の問題にまで迫る.写真105点を収録.見ていて楽しくなる一冊.
はじめに――ウサギを好む日本人
一 兎ブームは繰り返す
二 昔の兎は「かわいい」か?
三 本書について
第I章 月の兎――うさぎ図像の伝統とは?
一 〈月の兎〉の源流
二 「月の光」のかたち――言説と形象のはざま
三 カラスとウサギ――「日月」の聖性図像
逸品への誘い? 葛蛇玉筆「雪夜松兎梅鴉図屏風」
第II章 「伏せた丸い兎」の理由――和菓子からミニチュア・アートまで
一 和菓子とうさぎ
二 うさぎ菓子――「伏せ兎」の味とかたち
三 神饌としての〈兎〉
四 神饌と伏兎
五 菓子から玩具まで
六 「お菓子なうさぎアート」という悦楽
逸品への誘い? 永田哲也作「和菓紙」アート
第III章 桜とうさぎ――〈擬古典〉文様の創造
一 うさぎグッズと現代
二 花兎文様から〈擬古典〉文様「花うさぎ」へ
三 隠された雪月花――〈人を想う〉という造形
四 〈擬古典〉――「新しい伝統」の創造
逸品への誘い? 上村松園筆「待月」
兎の足あと――「あとがき」に代えて
掲載図版一覧
参考文献一覧
【著者紹介】
今橋 理子
今橋理子:学習院女子大学教授
内容説明
日本美術、文学、染織、工芸、和菓子、グッズ、現代アート…親しき動物の表象から見えてくる日本文化の特質とは?多様なジャンルを横断した「新しい美術史」の方法によって、文化の伝承あるいは創造という、現代の問題にまで迫る。
目次
第1章 月の兎―うさぎ図像の伝統とは?(“月の兎”の源流;「月の光」のかたち―言説と形象のはざま;カラスとウサギ―「日月」の聖性図像)
第2章 「伏せた丸い兎」の理由―和菓子からミニチュア・アートまで(和菓子とうさぎ;うさぎ菓子―「伏せ兎」の味とかたち;神饌としての“兎”;〓〓(ぶと)と伏兎
菓子から玩具まで
「お菓子なうさぎアート」という悦楽)
第3章 桜とうさぎ―“擬古典”文様の創造(うさぎグッズと現代;花兎文様から“擬古典”文様「花うさぎ」へ;隠された雪月花―“人を想う”という造形;“擬古典”―「新しい伝統」の創造)
著者等紹介
今橋理子[イマハシリコ]
1964年東京都生まれ。1987年学習院大学文学部哲学科(美術史専攻)卒業。1989年同大学院人文科学研究科哲学専攻博士前期課程修了。1993年同博士後期課程修了。1994年博士(哲学)取得。日本学術振興会特別研究員、東海大学文学部専任講師等を経て、現在、学習院女子大学国際文化交流学部教授。主要著書は『江戸の花鳥画―博物学をめぐる文化とその表象』(スカイドア、1995年、第17回サントリー学芸賞・第46回芸術選奨文部大臣新人賞受賞)、『江戸絵画と文学―“描写”と“ことば”の江戸文化史』(東京大学出版会、1999年、第12回國華賞受賞)、『秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む』(東京大学出版会、2009年、第22回和辻哲郎文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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