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江戸の動物画―近世美術と文化の考古学

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  • サイズ A5判/ページ数 344,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130802048
  • NDC分類 721.025
  • Cコード C3070

出版社内容情報

江戸時代の人びとは,動物に何を語らせようとしてさまざまな動物画を描いたのか.象徴・擬人化・地口(ことば遊び)の三つの視点から,主に兎,猪,子犬,昆虫が描かれた作品を分析し,江戸文化の深層を探る.博物学の成果を核に,民俗学・国文学・歴史学をふまえた画期的労作.

内容説明

描かれた動物は何を語っているのか。象徴、擬人化、地口(ことば遊び)の三つの思考から動物画を分析。失われた江戸文化の深層を探る、著者による花鳥画三部作の完結編。

目次

第1章 日本人と動物芸術―「はじめに」に代えて(「かわいい、りりしい、たのもしい」―動物画と動物写真;江戸時代動物画の範疇 ほか)
第2章 “月の兎”の図像と象徴(現代に棲む“ウサギ”たち;“月の兎”という言説 ほか)
第3章 虫たちの在り処―擬人化の詩学(虫けら曼荼羅の宇宙;江戸の虫画 ほか)
第4章 “眠れる猪”という祝福―動物写生画・森派とことば(森一鳳筆「猪図」;森派と「写生」 ほか)
第5章 仔犬と髑髏―長沢蘆雪画をめぐる“ことば遊び”とフォークロア(長沢蘆雪筆「幽霊・仔犬に髑髏・白蔵主図」の謎;“幽霊画”の言説、そして応挙―中幅「幽霊図」の背景 ほか)

著者等紹介

今橋理子[イマハシリコ]
1964年東京都生まれ。1987年学習院大学文学部哲学科(美術史専攻)卒業。1989年同大学院人文科学研究科哲学専攻博士前期課程修了。1993年同博士後期課程修了。1994年4月博士(哲学)号取得。日本学術振興会特別研究員、東海大学文学部専任講師を経て、学習院女子大学国際文化交流学部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くれは

3
「解りやすいから江戸の花鳥画・草虫図が好き」などと公言してたのですが、花鳥画や草中図にもこのような重層的な説話世界が広がっているとは思いもよらず、反省しきり。また自分は古根付を集めているのですが、根付の意匠にも「月見うさぎ」「秋草に臥緒」「白蔵主」「卒塔婆小町」「韓信の股くぐり」などはよく見られるので興味深く読めました。特に、仔犬がやせ衰えた母犬にすがりつく意匠の根付を持っていて、どんな意味か込められているのか図りかねていたのですが、解題のヒントになりそうです。著者の前作2冊は未読ですがぜひ読みたいです。2012/08/06

ヒロセ

3
お、面白すぎるっ…!専門書の部類に入るかもしれませんが、ちょっと江戸絵画気になる~って人にもおすすめできる本です。読みやすいし、ヘタなミステリーよりもずっと好奇心をくすぐられます。現代の目ではなく、江戸時代人の目で絵画を見ると、今まで見えていなかった本当の「意味」が現れてくることに感動をおぼえるほど。美術史以外の様々な分野の知識を総動員し、絵解きをする著者のワクワク感も伝わってきました。絵は見るものじゃなく読むもの…ということを実感させてくれます。3部作の最期ということで、前作2冊も読みます!2011/07/15

i-miya

1
1964東京生まれ、学習院大学文学部哲学科美術史専攻、1994.04 博士号(哲学)、江戸時代ならではの作品、花鳥画、秋田蘭画、葛蛇玉作品、ジョー・プライス氏、エツコ・プライス氏、ご高配、参考文献 岩合光昭『ニッポンの犬』1998、伊藤若冲、口絵1 伊藤若冲『百犬図』1799、長澤蘆雪1780、第1章 日本人と動物芸術、1. かわいい りりしい たのもしい、四国犬、星野道夫1952-1996、信岡朝子、環境保護、伊藤若冲ー狩野派にあきたらず、中国南宋画にも飽き足らず。円山応挙18C後半『群獣図屏風』森派ー2006/10/14

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