出版社内容情報
ヨーロッパを流れる2つの大河――マース川とライン川――の河口に位置し、水害に悩まされてきたオランダは、利水と治水をいかにして両立させてきたのか? 国家政策と科学的アプローチ、そして「健全なる河川」と「側方分水」という視点から、その歴史をたどる。
目次
序章 「側方分水計画」とは
第1部 近世までの河川(排水路としての河川;利権としての河川)
第2部 黄金時代の河川(オランダ連邦共和国―その成立と国家体制;防衛線としての河川―共和国成立期からフッデとホイヘンスによる河川調査まで;パネルデン水路の開削)
第3部 理性の時代の河川(18世紀初頭の政治、思想、科学;主権者と河川―第2次無総督時代(1702‐47)のホラント州における河川行政改革の取り組み
「健全なる河川」の理念をめぐる論争)
第4部 維新と革命の時代の河川(オラニエ維新と河川政策の転換;側方分水計画と河川総督職創設;クリスティアーン・ブルニソクスとライン川諸派川流量測定;河川と改革;終章 「健全なる河川」とは;補論 超過洪水対策と非定量治水について)
著者等紹介
中澤聡[ナカザワサトシ]
1976年生まれ。1999年、早稲田大学第一文学部(哲学科)卒業。2010年、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系(科学史・科学哲学)博士課程単位取得満期退学。2020年、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系(科学史・科学哲学)論文博士号取得(学術)。現在、東邦大学理学部・健康科学部非常勤講師、千葉工業大学教育センター非常勤講師、明治大学理工学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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