出版社内容情報
アジア地域での多彩な変動帯の進化を詳細にレビューし、最新の知見に基づいた実態を描き出す。
大陸衝突の過程はどの程度の広がりを持って進行するのか、プレート収束境界での海溝沈み込みに伴う地震や火山活動の相互の関係、造山運動が上部そして全マントルスケールでどう進行してきたか、などについて、新生代以降のアジア地域を例として詳細にレビューする。
【目次】
第1章 アジアの変動帯区分
第2章 北米・ユーラシアプレート境界と極東アジア変動帯
2.1 大西洋北部・北極海/2.2 大陸内部のプレート境界問題/2.3 オホーツクプレートは独立して存在するか/2.4 サハリン島のテクトニクス/2.5 オホーツク海・千島海盆/2.6 千島列島・カムチャツカ半島と千島カムチャツカ海溝
第3章 日本海溝と東日本変動帯
3.1 日本海溝の大構造と地震活動/3.2 2011年東北地方太平洋沖地震/3.3 日本海溝沿いの物質不均一/3.4 東北日本の長期的変動/3.5 火成活動の変遷/3.6 日本海東縁変動帯
第4章 フィリピン海プレート
4.1 フィリピン海プレートのテクトニクス初期モデル/4.2 フィリピン海プレートの地域区分/4.3 「スラブ曲げ戻し法」によるフィリピン海プレート運動の復元/4.4 フィリピン海プレートの北上と時計回り回転
第5章 西日本変動帯-南海トラフと琉球海溝
5.1 南海トラフおよび琉球海溝の現在の変動/5.2 現在のテクトニクスフレームの成立/5.3 中新世の四国海盆と西日本変動帯の衝突/5.4 16 Ma頃の古地理図/5.5 暁新~始新世のイザナギ・太平洋海嶺の沈み込み
第6章 伊豆ボニン・マリアナ海溝
6.1 伊豆ボニン・マリアナ海溝の大構造と地震活動/6.2 伊豆ボニン・マリアナ海溝および前弧域の変動/6.3 伊豆ボニン・マリアナ弧における地殻の形成と進化
第7章 アムールプレートと東アジア大陸内プレート境界問題
7.1 バイカルリフト帯/7.2 アルタイ・モンゴル・天山山脈/7.3 東アジアとアムールプレート南縁
第8章 ヒマラヤ・チベット変動帯
8.1 ヒマラヤ山脈・チベット高原の成因をめぐる5つの仮説/8.2 ヒマラヤ・チベット変動帯の区分/8.3 チベット高原のマグマ活動/8.4 衝突過程のSearleモデルと大ヒマラヤ複合変成帯形成の4つのモデル/8.5 ヒマラヤとチベットの深部構造/8.6 インド大陸とアジア大陸の衝突帯を特徴づけるレオロジー
第9章 東南アジア東部変動帯
9.1 南シナ海/9.2 台湾/9.3 パラワン諸島・スールー湾・スールー諸島/9.4 セレベス海/9.5 スラヴェシ島とバンダ海/9.6 東南アジア「はみ出しテクトニクス」をめぐる議論/9.7 滞留スラブ落下と表層テクトニクス
第10章 インド洋東縁変動帯
10.1 アラカン海溝/10.2 アンダマン海溝/10.3 スマトラ海溝とスンダ海峡/10.4 ジャワ海溝・チモールトラフ
第11章 マクラン・ザグロス変動帯
11.1 マクラン変動帯/11.2 付加体臨界尖形理論と高圧変成岩の正断層露出モデル/11.3 ザグロス変動帯
第12章 アナトリアとエーゲ海変動帯
12.1 3つの構造フレーム/1