出版社内容情報
「破壊の世紀」から「再生の世紀」へ――獣害問題,外来動物問題,共通感染症問題……さまざまな野生動物問題は,すべて人間社会が生み出したものである.社会問題化した野生動物問題とおよそ40年にわたり格闘を続けてきた研究者からの熱きメッセージ.
内容説明
獣害問題、外来動物問題、共通感染症問題…さまざまな野生動物問題は、すべて人間社会が生み出したものである。社会問題化した野生動物問題と40年近く格闘を続けてきた研究者からの熱きメッセージ。
目次
1 破壊の世紀から―野生動物問題との出会い(野生動物が消えてゆく;獣医師への道―獣医科大学入学;絶滅に瀕する害獣)
2 ワイルドライフマネジメント―駆除から管理へ(特別天然記念物の害獣;法律をつくる;森とシカの一体管理)
3 外来動物―無自覚の果ての犯罪(連れてこられた動物たち―外来動物とはなにか;オーストラリアのキツネ対策;外来動物を根絶する)
4 環境汚染と感染症―蝕まれる野生動物(環境ホルモンから放射能汚染へ;感染するガン;野生動物感染症)
5 再生の世紀へ―野生動物問題への挑戦(絶滅を食い止める;希少動物を管理する;野生復帰)
著者等紹介
羽山伸一[ハヤマシンイチ]
1960年神奈川県に生まれる。1985年帯広畜産大学大学院獣医学専攻修士課程修了。現在、日本獣医生命科学大学獣医学部教授。獣医師、博士(獣医学)。専門は野生動物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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那由田 忠
18
時々番組などで話題となる範囲で、野生動物の保護に関心はもっていたものの、オーストラリアやアメリカの保護対策の歴史と熱心さについてよく知らなかったので、その意味でこの問題の重要性と政策のあり方を学ぶことができた。日本の行政組織にこの分野をきちんと組み込む必要があるものの、この財政難でどこまで可能なのか正直悲観的である。大学にももっと動物保護の研究室が増えてもいいと思う。ペットの話やかわいい映像を見ているだけでは困るよ。2020/07/01
昼寝ランナーゆうた
1
野生動物に関する様々な問題が紹介されるともに、筆者のストーリーが描かれており、面白かった。2020/02/26
H.Yamaguchi
0
日本が海外諸国と比較して、動物を管理することに関して遅れているかを感じ取ることができた。犬の可移植性性器腫瘍は講義で聞いたことがあったが、タスマニアデビルにもよく似た疾患があることを知って驚いた。しかもその原因が人にあるというのだからなんとも…2022/01/25