出版社内容情報
シダ植物は多様性と進化の研究モデルとして,種から系統にいたるまで優れた性質を備えている.本書はひとりのナチュラリストによるシダ植物を材料とした研究を通して,多様性の生物学が「生きているとはどういうことか」を解き明かしていく軌跡をたどる.
内容説明
本書は、生物の多様性に関わる研究が生物学の世界でもっとも軽んじられていた時期に、植物分類学を専攻し、だからといって生物学の世界ですっかりアウトサイダーになってしまうことがないようにと、その時々の生物学と真正面から取り組もうと努力してきた1人の研究者の、「生きているとはどういうことか」を解く鍵を求めて歩いてきた軌跡を紹介しようとしたものである。
目次
第1章 シダ植物で究めるナチュラルヒストリー
第2章 シダ植物1万種を探索する
第3章 ヒメシダにみる種属誌
第4章 コケシノブの種を較べる
第5章 ホウビシダで究める種と類縁
第6章 系統と類縁を追う
第7章 シダ植物でわかる生物多様性