出版社内容情報
脱工業化,脱物質主義,高度情報化の潮流は社会階層のリアリティを大きく変容させてきた.従来の所得や職業的地位や学歴の獲得意欲が弛緩するなか,生活様式,心の豊かさ,文化的価値など,「生き方」の問題を焦点としたポストモダンな社会的地位のメカニズムに迫る.
内容説明
本書は社会階層のポストモダンとは何かについての全体的な見取り図を議論した1章、脱階層志向を中心に「弛緩する地位達成の意欲」を論じた2部、およびポストモダンの中心テーマを論じた3部「生活様式と文化のプレゼンス」からなる。2部が近代的階層からの離反の程度に焦点をあてて議論しているのに対し、3部はポストモダンな社会階層への積極的関与に焦点をあてて議論している。
目次
1 社会階層のリアリティ変容(ポストモダン時代の社会階層)
2 弛緩する地位達成の意欲(脱‐階層志向の状況と構造;「こころの豊かさ」への志向構造;情報コンシャスネスとオルトエリート―階層化・脱階層化の同時進行と社会構造変化)
3 生活様式と文化のプレゼンス(ライフスタイルと生活満足;文化的寛容性と象徴的境界―現代の文化資本と階層再生産;市場に立脚する正統文化―クラシック・コンサートに集う人々)