出版社内容情報
グローバル化の時代は学力の概念を変え,経験のない多様性や深い分断に日本の学校・大学を向かい合わせることとなった.教科教育から,学校・地域のデザイン,教師論,そして教育行政,国際比較まで,東京大学教育学部のスタッフが結集して,改革の現在とその向かいつつある先を活写し,問題を提起する.
目次
グローバル化と教育の質保証とガバナンス改革
第1部 グローバル化と求められる教育の質の変化・転換(学力観をめぐる国際的な議論の潮流―国際機関を中心に;習得・活用・探究のプロセスと学力保証;「グローバル教育」と英語政策の落とし穴;日本における移民・難民の子どもたちに対する教育保障;インドネシアの教育の質をめぐる改革と現場の課題;教育の質の変化・転換と市民性)
第2部 グローバル化と教育のガバナンス(地方自治体における教育のガバナンス改革―市区町村への全国調査の結果から;学力向上の取り組み・施策と全国学力調査に対する教員の意識;スタンダードとテスト改革の20年―アメリカのメリーランド州X郡R小学校の事例を通して;大学のガバナンスと成果主義―高等教育政策の国際比較の観点から;日本の大学ガバナンスの課題―高等教育政策の変容と大学の自律性;アメリカの高等教育ガバナンスと質保障―アクレディテーションに着目して)
第3部 新たな教育機会・実践の創出(資質・能力としての「学ぶ力」をどのように子ども達に保証していくのか―メタ認知・学習方略の育成をめざした学校実践および教育センターでの取り組み;授業研究システムにおける教師の専門的学びの変革;職業スキル形成のガバナンスをめぐる多様性―VoC論から見た日本の課題;教師の学習の契機としての小中一貫教育)