出版社内容情報
歴史に刻まれた人々の記憶、記憶と化したユートピアの構想――。複雑に交錯する歴史と記憶から描き出すユーラシア世界像。
異なる文明をもつ複数の大帝国を抱え,20世紀にはソ連という壮大なユートピアの興亡を経験したユーラシア.歴史によって刻まれた記憶は現在を動かし,ユートピアを構想し,それもまた記憶と化す.連関・交錯する記憶とユートピアから,この地域の特性を探る.
総論 記憶とユートピア(小松久男)
I ユートピアの思想と運動
1 汎イスラーム主義再考(小松久男)
2 革命と哲学(佐藤正則)
3 ポストモダニズムとユートピア/アンチユートピア(貝澤 哉)
II 記憶と政治
4 記憶の中のロシア革命(池田嘉郎)
5 歴史と記憶の政治(橋本伸也)
III 記憶の深層
6 英雄叙事詩の伝える記憶(坂井弘紀)
7 ポーランド = リトアニア・タタール人のイスラームの記憶(濱本真実)
8 歴史と記憶との狭間を生きることについて(渡邊日日)
ブックガイド
【著者紹介】
塩川伸明:東京大学大学院法学政治学研究科教授
内容説明
繰り返される越境と変容―歴史と現在、地域と世界との対話へ。「夢」の跡地に宿る力。転変の歴史を経て刻まれた記憶、ユートピアの孕む光と陰。交錯する過去と未来が底流となり、世界の現在を動かす。
目次
1 ユートピアの思想と運動(汎イスラーム主義再考―ロシアとイスラーム世界;革命と哲学―世紀転換期ロシアにおけるマルクス主義者たちの哲学的模索と論争;ポストモダニズムとユートピア/アンチユートピア―現代ロシアにおける「近代」の超克)
2 記憶と政治(記憶の中のロシア革命―ロンム『十月のレーニン』とスターリン時代の革命映画;歴史と記憶の政治―エストニアの事例を中心に)
3 記憶の深層(英雄叙事詩の伝える記憶;ポーランド=リトアニア・タタール人のイスラームの記憶;歴史と記憶との狭間を生きることについて―ツォンゴール・ブリヤート人のソ連時代とその後)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授
小松久男[コマツヒサオ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院特任教授
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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