内容説明
国際社会とは何か。その秩序はどのように形作られているのか。国際社会で共有される主要な価値規範に着目し、それらが織り成す国際秩序の歴史的展開と現状を鋭く描き出す。われわれの生きる世界の成り立ち。
目次
第1章 国際社会という問題
第2章 国家主権
第3章 国民国家
第4章 国際組織
第5章 安全保障
第6章 民主主義
第7章 人権
第8章 平和
著者等紹介
篠田英朗[シノダヒデアキ]
1968年神奈川県に生まれる。1993年早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。1998年ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了、Ph.D.(国際関係学)。広島大学平和科学研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かろりめいと
1
(英米の?)国際関係論・国際法学から見た、国家主権・国民国家・安全保障・民主主義・人権など、政治思想上で重要な基本の概念の歴史的変遷を解説した本。本書は冷戦後の現代社会まで含んでおり、全体のトーンとして、イデオロギー中立的な感じ。今まで自分にはなじみのなかった視角満載なとこが、新鮮でとても面白かった。知的好奇心的に大満足。2019/12/04
Yuto Sakai
1
国際秩序を成り立たせるその価値規範の理解を探求する一冊。具体的には国家主権、国民国家、国際組織、安全保障、民主主義、人権、平和の7つを考察する。序盤の国民主権、国民国家という概念の相対化には納得する一方で、民主主義、人権においてその普遍的性格を過信しすぎてはないかという疑念が残る。とりわけ民主主義という価値が今日疑義の余地なきものの如く語られるが果たしてそうなのか。さらにこれらの価値がジレンマ、トリレンマに陥る可能性も考慮しなければならない。しかし総じて価値規範の思想を探求する本書の姿勢は非常に面白い。2015/05/14