出版社内容情報
日米両国は,「真珠湾への道」をなぜ歩んだのか.それを阻止することはできなかったのか.開戦に至るプロセスにさまざまな角度から迫った,1969年に行われた国際共同研究の成果.現代的課題に向き合い,次なる世紀を迎えるために,装いをあらたに刊行する.
内容説明
「河口湖会議」に日米の専門家が相会して、「真珠湾への道」を回顧して、白熱した討議を展開したのは、1969年7月14日から18日にかけてのことだった。本書は、その成果をまとめたもので、共同研究の対象時期を「開戦に至る十年」に絞り、両国の政策決定過程のダイナミズムを、対置される機構、制度、アクターなどの果たした役割を比較検討するといったアプローチをとっている。
目次
1 政府首脳(内閣と天皇・重臣;大統領と対日政策)
2 外交機関(外務省―人と機構;国務省―人と機構;外務省と駐米大使館―1940‐41年;駐日アメリカ大使館の役割)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッキー提督
1
69年に日米両国の知識人が集結し、論文の提出と議論を行った「河口湖会議」の内容を、論文を中心に纏めたもの。二国間の相互の「意図」の理解の難しさと、それを理解してなお原則同士の対立があるという問題を痛感させられる。 また当時の両国の外交システムの大きな相違と、時間とともに失態を積み重ねていった当時の日本外交の問題点も浮き彫りとなる。 さらに注目すべきは、両国の知識人が、自国の当時の行動や思想について、驚くほど内省的分析を行っていることであろう。 現代の我々に深い問いを投げかける一冊である。 大学図書館にて。2016/11/20