出版社内容情報
日本の占領地政権であった汪精衛政権/南京国民政府の機関紙『中華日報』に集った文化人たちは、これまで「対日協力者」として否定的な評価を受けていた。本書は、新聞文芸欄を詳細に分析し、彼らの創作活動や思想的営為、そして戦時下の社会で見出した希望とは何かを明らかにし、中国近代メディア史研究に位置づける。
目次
序章 日本占領期上海のメディアと文壇
第一章 政治宣伝と娯楽のはざまで
第二章 「中華副刊」に見る占領下の文学活動
第三章 陶亢徳と中華日報社―編集者の側面に注目して
第四章 日本占領下における楊之華の文学活動―上海文壇批判とその文学観
第五章 蕭剣青の活動と日中戦争末期の言論空間
終章 グレーゾーンにおける政治と文学
著者等紹介
山口早苗[ヤマグチサナエ]
1987年山形県生まれ。現在、日本学術振興会特別研究員PD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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