出版社内容情報
ロシア帝国支配期からソ連期、そしてソ連解体後のウズベキスタンにおいて、ムスリム女性が着用するヴェールは、いかなる社会の変容を映し出してきたのか。「ヴェールのない社会」の構築がもたらした社会の亀裂の背景を解き明かし、新たなモダニティのあり方を模索する。
目次
ポスト社会主義国のヴェール/スカーフ問題への視座
第1部 モダニティ追求の磁場としてのウズベキスタン(ウズベキスタンの成立―一九二四年中央アジア民族・共和国境界画定;独立後のウズベキスタンのナショナリズムの光と影;宗教とモダニティの相剋―イスラーム観をめぐる亀裂)
第2部 イスラーム・ヴェール問題の歴史的展開(中央アジアにおける女性の装いとヴェール;帝政ロシアの「ムスリム女性」と「ヴェール」をめぐる言説;ソ連期ウズベキスタンの「女性」と「ヴェール」をめぐる言説と表象)
第3部 現代ウズベキスタンの「ヴェールの政治学」(権威主義体制とイスラーム過激主義問題;「女性」と「ヴェール」をめぐるポスト社会主義時代の語り;新たなヴェール、新たな言説―「ヒジョブ」問題)
モダニテイの長い道程は再び開かれるのか
著者等紹介
帯谷知可[オビヤチカ]
神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシヤ語学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。東京大学教養学部助手、在ウズベキスタン共和国日本国大使館専門調査員、国立民族学博物館地域研究企画交流センター助手・助教授、京都大学地域研究統合情報センター准教授などを経て、京都大学東南アジア地域研究研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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