出版社内容情報
闇に生きる死者――吸血鬼たちは、大都市の夜にコミュニティーを形成し人に紛れている。六本木の三長老や新宿の女王などの統括の下、時間の流れとは無縁の日々を送っていた。
だが。そのかわらぬ毎日のはずが一変。
ある日、吸血鬼のなかでも極めつけに怠惰な十二が久しぶりに目覚めると、池袋のまとめ役・白猫が失踪するという大事件が勃発していた。秩序の一角が失われたことで、支配地域拡大を目論む若手は暗躍し、日々のモラルも低下。秘された存在である自分たちの正体が広く知られてしまうことを長老たちは危惧していた。
そして十二の元に白猫を訪ねて〝人〟が現れたことで混乱は激化。十二はその中心におかれてしまった……。
「BBB」のあざの耕平が新たに挑んだ吸血鬼の話とは!
内容説明
吸血鬼は実在する。都会の夜の中に。彼らは六本木や新宿などで闇に紛れ、強大な長の統率の下、闇社会を形成している。時の流れは関係ない。“一度死んで”甦ってきた者たちこそが吸血鬼なのだから。―そして今!変化のない時間を過ごしていた彼らに異変が。それは池袋のまとめ役の不在に端を発し…。
著者等紹介
あざの耕平[アザノコウヘイ]
1976年、徳島県生まれ。99年「ブートレガーズ神仙酒コンチェルト」(富士見ファンタジア文庫)で作家デビュー。アニメ化作品も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
38
「BBB」とはまたひと味違う吸血鬼たちの群像劇でした。ハードボイルドっぽい雰囲気で、イラストが非常にマッチしています。吸血鬼たちの抗争は一段落ついてるけど、これからというところで終わっている。続きありますよね~!?2019/03/19
よっち
34
大都市の夜にコミュニティーを形成し人に紛れている吸血鬼たち。怠惰な吸血鬼・十二が久しぶりに目覚めると、池袋のまとめ役・白猫が失踪しており、関係者の少女・遠夜が十二の下に転がり込でくる物語。白猫不在の状況で秩序の一角が失われ、六本木の三長老や新宿の女王などもその動静を探る中、遠夜を巡る抗争の激化に巻き込まれてゆく十二。ハードボイルドでアウトローな雰囲気のある世界観は著者さんらしくて、個性的なキャラたちもなかなか印象的でしたが、真相は明らかになったものの結末はやや消化不良な感も…続巻あるなら読んでみたいです。2019/03/28
はるき
30
久々あざのさん。しかも、お得意のヴァンパイア物語。連作集なので、ちょっと纏まりが悪い気がしますが流石の世界観。読ませます。2019/03/03
ざっきー
11
吸血鬼ものというよりはギャングの抗争みたいな話でした。不老不死で絶対的影響力をもつ吸血鬼が姿を消したらそりゃあ大事になりますよね。あざのさんということで、どうしてもBBBに引っ張られてしまったので、深く入り込めなかった印象。むしろBBBを読み返したくなりました。2019/08/03
マヌヌ2号
10
こ、この内容なら3巻くらいかけても良いのでは……。中身がギチギチ過ぎる。イベントかキャラクターを減らした方が良かった気がする。とはいえ、内容自体は面白かったです。『精』『術』とか吸血鬼の設定は、東京レイヴンズの甲種乙種呪術辺りや魂の扱いを参照できたのですんなり頭に入ってきましたし、その設定をフル活用してトンデモ実験をやってる最後の章は特に楽しく読めました。それまでの群像劇から打って変わって、「魂の所在とは? 人間の自我とは?」というSFで取り上げるような命題をお出ししてくるの迫力がある。続刊出るのかな……2019/03/03