出版社内容情報
木村義雄、升田幸三、大山康晴、呉清源……。安吾は彼らの対局に何を見たのか。表題作ほか小説、観戦記、エッセイ、座談まで初集成する。文庫オリジナル。
【目次】
?散る日本/勝負師/九段/名人戦を観て/坂口流の将棋観/観戦記/将棋の鬼
?囲碁修業/負け碁の算術/文人囲碁会/本因坊・呉清源十番碁観戦記/呉清源論/私の碁/碁にも名人戦をつくれ座談会二編囲碁・人生・神様/呉・藤沢十番碁を語る
坂口 安吾[サカグチアンゴ]
著・文・その他
内容説明
絶対名人といわれた木村義雄はなぜ敗れたのか。そこに戦前日本の姿を見た「散る日本」。木村の復活劇を描いた表題作ほか、昭和を代表する名棋士・升田幸三、大山康晴、呉清源らの盤上の戦いを活写した作品集。小説から観戦記、エッセイ、座談会まで収める。
目次
1(散る日本;勝負師;九段;名人戦を観て;坂口流の将棋観 ほか)
2(囲碁修業;負け碁の算術;文人囲碁会;本因坊・呉清源十番碁観戦記;呉清源論 ほか)
著者等紹介
坂口安吾[サカグチアンゴ]
1906(明治39)年新潟市生まれ。東洋大学文学部印度哲学倫理学科卒業後、同人誌『言葉』を創刊。31年に『青い馬』に発表した短篇「風博士」が牧野信一に激賞され、新進作家として認められる。戦後、『堕落論』『白痴』などで新文学の旗手として脚光を浴びる。55(昭和30)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokada_jnet
28
坂口安吾の将棋、囲碁に関する文章をまとめたものだが。思ったより分量が少なかった。しかし、将棋・囲碁の観戦記がメインなのだから、総棋譜と盤面図を入れておいてほしかった。ネットにアップされている棋譜を自分で見るしかない。「散る日本」の塚田・木村の名人戦第七局の、この本に書かれている塚田の三手目の着手の表記が間違えている。「塚田五六歩×」「塚田二六歩〇」。安吾全集自体が間違えているのかな。そういうレベルの「校正」ができる人が、関係者にいなかったのか。2019/11/18
しーふぉ
19
坂口安吾が将棋や碁の観戦記を書くと流石だと思わせる。木村、大山、升田などが活躍する時代なので今からすると、伝説や神話のような話しに聞こえる。それぞれの性格わ負けず嫌いが垣間見えて面白い。2019/07/27
gtn
9
呉清源が璽宇に狂信した理由として、著者は呉が人間として情緒的な部分が少なく、非人間的な完璧さがあったことを挙げる。しかし、当然ながら、勝負の世界において自己の限界を自覚せざるを得ず、超常的なものに引き寄せられたという著者の見立ては納得できる。しかも、より荒唐無稽なものである必要があったのだろう。後に呉は璽宇から離れるが、人の心は手を合わせて拝まなくても無信仰というものではないからとコメントしている。「自分教」というものを確立したようだ。2019/01/02
karutaroton
7
おもしろかったなー。 戦後すぐの将棋棋士、木村さん、升田さん、大山さん、塚田さん、といった方々が登場します。 坂口安吾さんも面白い人なんだろうなー。最後に沢木耕太郎さんの文章があるのもまた良し。将棋ファンの方に広くオススメです。2018/09/05
ポン
5
巻末エッセイ 私だけの教科書/沢木耕太郎 散る日本/坂口安吾 沢木さんお勧めの『散る日本』と世相山口瞳『世相講談』また読んでみたい作品ができました。2021/03/08