中公文庫
幕末―非命の維新者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122064560
  • NDC分類 281
  • Cコード C1121

内容説明

大塩平八郎の乱から安政の大獄、そして天誅組の変へ…。大塩ほか橋本左内、藤田東湖から真木和泉守、伴林光平まで、歴史の激流の中を生き、非命に倒れた維新者たち。彼らの心情と行動に迫り、明治維新の精神過程をたどる著者の代表作。巻末に保田與重郎との対談「松陰の精神とその人間像」を増補。

目次

第1章 大塩平八郎
第2章 橋本左内
第3章 藤田三代―幽谷・東湖・小四郎
第4章 真木和泉守
第5章 三人の詩人―佐久良東雄・伴林光平・雲井竜雄
松陰の精神とその人間像(保田與重郎×村上一郎)

著者等紹介

村上一郎[ムラカミイチロウ]
1920(大正9)年東京に生まれ、宇都宮に育つ。評論家・小説家・歌人。43年東京商科大学卒業。64年個人誌『無名鬼』創刊、75(昭和50)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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厩戸皇子そっくりおじさん・寺

58
昭和50年、本書の著者・村上一郎は日本刀で自刃した。享年55。昭和49年に角川文庫に収録されていた本の復刊である。昔の角川文庫には不思議な著者の不思議な本がたくさんあったというがさもありなん。著者の名前はかつて昔の本でちらほら見ていた。『北一輝論』『草莽論』で注目されたこの著者は「はじめに」で自らを右翼ではないと言う。解説の渡辺京二は著者を「国学的ナショナリスト」と評する。私もそう思う。国学的教養の持ち主が書いた「あわれぶかい」幕末の姿がここにある。センチメンタルな日本史がここにある。(レビュー続く)2017/10/20

maito/まいと

17
大塩平八郎、橋本左内、など江戸末期~幕末にかけて活躍した思想家達。彼らは時としてとんでも行動に出たり、飛躍した論理で歴史に一石を投じた。当時明晰さでは類を見ないほどのものを持っていた彼らは、なぜ非業の最期を遂げなければならなかったのか。彼らに迫ろうとして、彼らに共感してしまっている著者の文面が痛々しい。混迷の時代には、己を壊していかないと、未来を実現できない、と彼らは思ったのだろうか。そして他者はそれを肯定できたのか?モチベーションのありかを問われがちな今の日本人が考えたい課題が、あるような気がする。2017/11/05

肉欲棒太郎

1
人物評を通じてなされる、明治維新の精神史。取り上げられている人物の中では、「狂気と夢妄のイデオローグ」こと真木和泉守に興味がわいた。「維新者は、本質的に、涙もろい詩人なのである」と述べているように、本書の中では村上は佐久良東雄、伴林光平、雲井竜雄の3人の詩人に最も共感しているよう。感覚的とも言うべき、村上の独特の文体はクセになる。思想的には、農本主義ファシストという感じか。2019/06/05

ミスター

0
内容以前に読みにくい文体だと思う。2019/09/27

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