内容説明
芸術家の卵が集う帝都芸術大学剣道部。部長の壮介は、道場に現れた金髪の天才画家・唯の指導をすることになる。有名ギャラリーとの契約を賭け、「半年で初段を取りたい!」と語る唯。彼女の笑顔の裏には、悲しい過去が秘められていた―。アート系剣士たちの恋と友情、そして夢が交錯する。芸術×武士道青春小説!『藍のエチュード』を改題。
著者等紹介
里見蘭[サトミラン]
1969年東京都生まれ。早稲田大学卒業。2004年『獣のごとくひそやかに』で小説家デビュー。08年『彼女の知らない彼女』で第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
57
芸大の剣道部を舞台に、恋あり友情ありの、「ザ・青春」が繰り広げられる。ヒロインが二人も登場するため、主人公との恋の行方も気になるが、剣道の部分もしっかりと取材され、迫力のある描写となっている。とても安定感があり、面白く読めた。2017/03/05
はるき
31
単行本版で読んだけど、味付けが変わって違う話みたいでした。剣道、芸術、そして青春。好きな話です。2017/09/26
よっち
30
東京藝術大剣道部に事情があって三年生になってから入部してきた唯。それを指導することになった主将の壮介と、剣道部員たちが織りなす青春群像劇。複雑な家庭の事情を抱えながらも、画廊への契約条件として提示された初段を取ることを承諾した唯。割り切った唯の言動に戸惑い心配する一方で、憧れの部員・綾佳への想いにも揺れる壮介。そろそろ進路を意識せざるをえない部員たちが突きつけられる才能とそれに向き合う覚悟はシビアで、各々が直面する状況もまたほろ苦かったですが、それでも変わらない想いが垣間見える結末はとても心に響きました。2017/03/09
信兵衛
25
単行本「藍のエチュード」から大幅に改稿され、爽快な青春群像劇に一変しています。読了後は爽やかな気分。2017/03/22
どぶねずみ
24
読みながら笑ったり泣いたりと、感情の起伏の多い作品でとても楽しかった。剣道をネタにした小説が読みたいと思って探した作品だったけど、大学の青春でもあり、恋愛もあり、アートにもっと触れてみたいとも思った作品だった。精神を鍛える剣道って、かっこいいな。2017/05/11