内容説明
「私の中の猫」に導かれ、猫のいる町、路地を行く。猫目線で歩くと、いつもの散歩道も違った景色に見えてくる。猫のパトロールのように、抜き足差し足、ぐるっと回って見聞を綴る、町歩きエッセイ。著者の自筆イラスト多数収録。書き下ろしと単行本未収録のエッセイを増補した。
目次
灰猫、川を下る―隅田川
お嬢様と海を臨む―横浜山手
チカコさん、ノラ猫になる―泪橋
土手の天麩羅屋にたまげる―吉原
梅見で黄門様に会う―小石川後楽園
マダガスカル館で空振りをする―上野
朝倉彫塑館には固い猫がいる―谷中
怪しい店で満腹になる―谷中
猫町で猫旅行社になる―根津
井戸を捜して虹を見つける―根津
観音様でもどり猫に会う―山手通り
半分の花火見物に満足する―浅草
何も言わない石を愛でる―清澄
私の中の猫、生まれ故郷へ帰る―雑司ヶ谷
下町夜の猫散歩―千束
正月、宝探しに―ある町で
離島の夜の猫会議を傍聴する―相島
長谷川さんは着ぐるみにハグされたいと言った―青山通り
著者等紹介
浅生ハルミン[アサオハルミン]
1966年、三重県生まれ。デザイン事務所勤務および現代美術家としての活動を経て、現在はイラストレーター、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ともとも
21
猫の目線で東京のいろいろな地域を散策していく。 ゆったりと、自由に描かれていて、本当に猫の目線のような感じで 描かれていて、さらには読んでいる私も猫の目線?猫になったかのような 感覚に陥ってしまいました。 また、イラストもとてもキュートでさらにエッセイが楽しくなっていく。 そんな感じの一冊出した。2016/10/23
阿部義彦
15
猫本に新しいラインナップが加わりました。心の中に猫を飼っているハルミンさんです。美大出身でイラストなどを書いてたのが嵐山光三郎さんに見出され、イラストの他に文章も書くようになりました。映画化された「私は猫ストーカー」は私は映像には疎いもので全然知りませんでした。Twitterで浅生ハルミンの名前は見かけて頭の隅に有りましたが、具体的にはこの中公文庫の新刊の表紙のイラストでビビっと来ました。私より五つ下という事は結構なお年何ですね。とてもそうは見えませんが、まあ猫好きは年齢不詳で群れるのが嫌いですからね。2016/09/25
2223
1
帯に並んだ地名が馴染み深くて手に取りました。友達と話してるような感覚で読める本。時折挟まれる夜の散歩はちょっとそわそわしますけど。2017/01/11