出版社内容情報
中国・台湾が領有権を主張する尖閣諸島。中国が実力行使に出た時、日本は……。政治的影響を睨みつつ展開される水面下での熾烈な駆け引きと日中の軍事作戦の行方を、迫真の筆致で描く。
内容説明
中国・台湾が領有権を主張する「尖閣諸島」。衆議院の解散総選挙を伴う政権交代のタイミングで、ついに中国が実力行使に踏み切った。そのとき内閣は、外務省は、自衛隊は…?政治的影響を睨みながら展開される水面下での熾烈な駆け引きと軍事作戦の行方を、迫真の筆致で描く。
著者等紹介
大石英司[オオイシエイジ]
1961年生まれ。鹿児島県鹿屋市出身。1986年『B‐1爆撃機を追え』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kenichi Yanagisawa
61
日本の政治空白と政権交代のタイミングを見計らい、日本は弱腰、何もできないと想定して漁船団+巡視船+空母で尖閣諸島を占領しようという話。 日本の政治の弱腰も、実態に近い感じで表現されている。 それでも序盤の情報戦では、日本もこの情報を事前にキャッチして問題にならないように戦略を立てていくのだが、強引な中国の上陸作戦に為す術がなく撤退を決める。 中国が政治を使って日本の弱みを突いてきたのだ。 かなりリアルな話になっているのだが、後半の弱腰にはちょっとイラっとする場面も、、2013/08/06
バイクやろうpart2
47
大石英司さん作品1冊目です。『空母いぶき』を観て、興奮冷めやらぬ時、書店で見に飛び込みました。 多くの専門用語に、この作家さんは、自衛隊の方かと思うほどでした。日中のハイレベルの戦術攻防も、最終着地はアメリカ🇺🇸に梯子を外され尖閣明渡し‼️。これからの🇺🇸🇨🇳に翻弄される日本を占っているようです。2019/06/22
p.ntsk
43
解散総選挙の政権交代を狙って尖閣上陸を試みる中国と日本の攻防を描く。序盤の仕掛け合いから後半の緊迫した展開とリアルで読み応えがありました。現実にも南沙諸島をめぐる国際裁判で中国が敗訴すると中国船の領海侵犯が活発化。日米中は経済問題なども孕んで一筋縄ではいかない複雑な関係。秋の米大統領選で国益優先をうたうトランプが就任した場合、有事の際に日米安保は発動するのか、この作品で描かれる展開にならないか不安になります。一度失ったものは戻ってこない。北方領土しかり竹島しかり。この言葉が現実味を帯びて迫ってきます。 2016/09/13
kinnov
34
尖閣諸島を巡るリアルなシミュレーション小説。現実的な出来事、登場人物の行動の積み重ねで、ありえるかもしれない出来事を描いている。少しシンゴジラを思い出した。官僚と政治家が未曾有の危機にどう対処していくのか。アクションは少ないがそれでも最後まで飽きずに読めたのは、主人公をはじめとする人々の判断や行動、想いがリアルに地続きだからだろう。危機対処リアルシミュレーションは面白い。結末をどう捉えるかで評価が分かれるが、さもありなんと納得させられた。一点、期待の首相が石破風なのが、虚勢が剥がれた今、可笑しかった。2018/10/16
RIN
32
いやぁ何度挫折しかけたことか。1年近くかけてようやく読了。「とにかく最後まで読み通す」主義で何とか(笑)。あの国とかあの国とかあの省とかあの省とかあの人とかあれとかあの国民とかあの国民とかがもう悪い意味でリアル過ぎて。実際こういう状況になったら多分こんなところだろう・・・。領土問題に関しては侵略する方がダメ元で来るから、どうしても守る側に相当の覚悟と負担が強いられる。武力経済力外交力、どこの国と対峙してもガチンコで勝負できる国が侵略もされない、ということか。アニメとモノづくりだけではダメでしょうね~2016/11/13