内容説明
ヒメミコト亡きあとの倭国へ帰還するために、トヨは魏の都洛陽を脱出した。大王への即位を狙う非情の軍事的権力者・ヒコミコトの野望を、トヨは阻止することができるのか―。三世紀半ばの倭国を舞台に、神話時代から歴史時代への過渡期の混沌をダイナミックに描く、歴史ファンタジーの快作。
著者等紹介
加藤徹[カトウトオル]
1963年東京に生まれる。東京大学文学部、同大学院で中国文学を専攻。広島大学総合科学部助教授を経て、明治大学法学部教授。著書に『京劇―「政治の国」の俳優群像』(中公叢書、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
119
卑弥呼ヒメミコトが亡きあとトヨが君臨するまでを神話と古代を入り混ぜそれなりに楽しんだ。神も昔は、人だったという言葉が、核となっていた 。日本の名前が倭、奴など変なのは、中国からみた外国の名前にいい名前つけるはずがない。2020/07/14
桃水
16
2013/03/25:古代卑弥呼の後継者争いを題材にした物語。言葉の意味などツッコミどころが多々あるものの、トヨが魏にいたとか大胆な設定が面白かったです。 2013/03/25
みっちゃんondrums
5
ヒミコなきあとトヨが女王になるまでの古代史ファンタジー。中国文学者としての筆者の著作を読んだことがあったので、古代日本が舞台の小説を書いていたのは意外だったが、出だしが中国だったので、なるほどと思った。古代日本と中国を結ぶロマンあふれるエピソードがあったり、日本語の起源のうんちくがちりばめられていたりして楽しかったし、物語も面白かった。魏志倭人伝と古事記の記述と、魏から晋への歴史の流れを確かめたくなった。2013/11/08
瀬戸晴海
2
これまで読んできた倭国が舞台の話の中では飛びぬけて生々しかったです。トヨが大陸に生口として派遣されていた、張政氏の息子が倭に来る、などと想像を超えた設定がとても面白かったです。そして日本神話の天の岩屋戸物語を踏まえた話の流れに沿っていて、古事記の世界と倍楽しめました。大陸の歴史、倭の歴史両方が絡み合って古代ロマンをひしひしを感じた物語でした。1996年に出版されたものからかなり手が加えられているみたいだったので、そっちの方も読んでみたいと思います。2013/11/07
はちめ
0
著者は小説家でも日本古代史の専門家でもないので何のために書いたんだろうという気がしないでもない。新設としてはヒメミコトが中国人にはヒミコと聞こえたというあたりか?著者の他の本は結構好きです。2014/10/13