中公文庫
娘始末―闕所物奉行裏帳合〈5〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122055186
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

内容説明

借金の形に身を売られた旗本の娘の自害が相次ぐ。改易を恐れた旗本は娘に自殺を強要していた。扇太郎が預かる元遊女の朱鷺にも魔の手がのびる。江戸を揺るがす事件に乗じて町奉行の座を狙う鳥居、岡場所の利権を欲する一太郎、政権奪取を図る家斉派の幕閣の思惑が交錯する中、扇太郎も覚悟を決める。

著者等紹介

上田秀人[ウエダヒデト]
1959年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。97年小説CLUB新人賞佳作。2001年作家デビュー。歯科医院を営みながら、時代小説を中心に活躍。単行本書き下ろしとして『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)、同作品で第十六回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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harhy

10
扇太郎の立場が微妙になってきた。老中水野、目付鳥居の二人の上司のもとで難しい判断と行動を求められる扇太郎。それにしても、鳥居、実際にこんな性格だったんだね。2013/08/16

小梅@灯れ松明の火

10
前作の「旗本始末」と密接な関わりをもつ「娘始末」。要するにここでいう「娘」とは「旗本の娘」という意味なんですね。武士と言うのは生産階級ではないから、禄が増えない限りは上は大名、旗本から下は御家人までそれぞれに財政や生活は苦しい。そこで家名を守るためと娘を吉原や岡場所に売りますが、人身売買は違法ですから、それがばれそうになると改易。それを逃れようとして売った娘に証拠隠滅のために自害を強いる畜生のような旗本が出てくる。鳥居耀蔵の走狗であった榊扇太郎がついに決死の抵抗をします。狂い犬の一太郎との決着もそろそろ。2011/09/16

だいしょう@SR推進委員会

8
オールキャスト+α。それぞれの思惑が入り乱れて、中盤まで混乱しました。いったい誰をどうしろと言うのだと。権力者って大変。上田秀人ならありがちだが、クライマックスへの巻というのならそれも納得。他のシリーズの主人公たちに似ない肉食的な扇太郎が好みだったので、このまま最後までパワフルに突っ走ってほしい。癒しは某藩の留守居役。これもこの作家では少し珍しいタイプかもしれない。結末まで味方でいることを切望します。可愛い朱鷺と幸せになってくれたらいいな。2011/09/14

Koning

8
予想通りといえばその通りなのだけれど、飼い主を換えるのも一苦労どころじゃないと。光明が見えてきたと思わせておいてこれまた暗雲が。続きが更に気になって来たけれど、どうするつもりだぁ(汗2011/08/24

タカシ

7
闕所物奉行5巻目。借金の形に売られた旗本の娘の自殺が相次ぐ。扇太郎は水野越前守から調査を依頼されるが、鳥居耀三が朱鷺に魔の手を伸ばす。いよいよクライマックスか、扇太郎は鳥居と決別して最後の闘いに挑むのかな。次巻も期待。2015/01/04

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