出版社内容情報
24の観光地と24人の文学者を結ぶことで、パリの文学的トポグラフィが浮かび上がる。新しいパリが見つかる、鹿島流パリの歩き方。
内容説明
シャン=ゼリゼあるいはプルースト、パレ=ロワイヤルあるいはバルザック、モンパルナスあるいはボーヴォワール…24の名所・旧跡と24人の文学者をつないで描く、パリの文学的トポグラフィ。文学のエピソードから新しいパリが見つかる、鹿島流パリの歩き方。
目次
エッフェル塔あるいはアポリネール
ルーヴルあるいはネルヴァル
シャン=ゼリゼあるいはプルースト
ノートル=ダム大聖堂あるいはユゴー
オペラ座あるいはガストン・ルルー
パレ=ロワイヤルあるいはバルザック
カルチエ・ラタンあるいはミュッセ
ブールヴァール・デ・ジタリアンあるいはデュマ・フィス
レ・アールあるいはゾラ
セーヌ川あるいはアナトール・フランス〔ほか〕
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年(昭和24)横浜生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、明治大学国際日本学部教授。91年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
338
エッフェル塔とアポリネールに始まり、アレクサンドル・デュマのマレ地区まで、パリの名所をそれぞれに所縁の作家と作品で巡るという、なかなかに得難い好企画。全部で24ヵ所、24人の作家と作品が登場する。NHKテレビの「フランス語会話」に連載されていたようだ。また、章末にはそれぞれの場所のコラムも付されていて、実用的な側面も考慮されている。この本を携えてパリのあちこちを散策すれば(作家だけではなく地理的にも偏りがないように実に周到に工夫されている)、一層充実したパリを味わえそうである。2022/04/19
k5
56
海外文学の研究者たちがエッセイを書き、それが格好いいと思われる時代が確かにありました。私もずいぶん憧れていて、大学院まで行ってしまいました。ただ、博覧強記を韜晦してエピソードを捻り出そうとするあまり、ご本人に何の構成力もエスプリもないことを吐露している方も、今思えば多々いらっしゃったようです。鹿島茂さんもエッセイ書きまくっているために、イマイチなものもあるのは事実ですが、この作品はエッセイのうまさにうなります。特に前半いいです。パリ旅行する方おすすめです。2023/01/08
ラウリスタ~
10
新聞?連載をまとめたもの、パリ各地をとりあげ、その場所を舞台とした文学作品を一つ二つあげ、紹介していく。『スワンの恋』のあの有名なブールヴァール・デ・ジタリアンでのレストランの場面も、実はオペラ座の移転によって既に過去の栄華になっていた繁華街をアナクロに描いているという指摘など面白い箇所が多い。体系的というわけではない。2023/02/28
モリータ
8
即席パリ予習第1弾。あとがきの「1スポット1文学者の原則にしないとバルザックばっかりになってしまう」というようなコメントに笑った。ここで取り上げられててまだ読んでない文学作品を読んでいくという即席じゃない予習はこの後に及んではできないけど、『オペラ座の怪人』ぐらいは飛行機の中ででも読みたい。割と実用的な情報もついてます2015/03/04
itosan04
4
パリの観光ガイドとフランス文学の名作案内を、エッセイ風に気軽に読みやすくまとめたもの。NHKフランス会話のテキストの後ろに書いてあった。 読んで驚いたのは「オペラ座の怪人」。 本当にオペラ座の地下で見た人がいる話とは。2016/01/27