出版社内容情報
フランス料理の普及と人材の育成に全身全霊を傾けた著者がフランス料理はどういうものなのかについてわかりやすく解説した幻の論考を初文庫化。
内容説明
フランス料理の普及と人材の育成に全身全霊を傾けた著者が、フランス料理の要点を押さえつつ、料理の歴史と技術の継承、さらに自身の経験を踏まえながら、学ぶ者の心構えについて、わかりやすく説いた幻の論考を初文庫化。巻末に天皇の料理番として名高い秋山徳蔵との対談を収録。
目次
はじめに
フランス料理とはどういうものか
実際にフランス料理を勉強する人へ
料理と料理技術の問題
フランス料理史序論
フランス料理史本論
結び
著者等紹介
辻静雄[ツジシズオ]
1933年、東京生まれ。早大仏文科を卒業後、大阪読売新聞社に入社。1960年、大阪・阿倍野に辻調理師学校開校。それを母体に料理、製菓、製パン専門技術教育機関を擁する辻調グループ校を築く。一方で一九世紀フランス料理を中心とした研究家として、様々な文献を渉猟し、古典を中心とした厖大な蔵書を残した。1993年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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広瀬研究会
7
ふだん料理人と料理研究家の違いをちゃんと意識していなかったけど、この本を読むと辻静雄はたいへんな研究家であり、文献蒐集家であることがわかった。料理だから食べる人にとっておいしいかどうかで評価が決まるとはいえ、こうしてその歴史を学ぶと、料理も美術や工芸品と同じ芸術の一分野みたいなものなんだなあということを改めて感じる。2022/03/05
misui
4
辻調の辻静雄先生による著作。実地の経験や徒弟制度を肯定した上で、それでも先輩料理人なんてニュアンスで適当なこと言ってたりするから、その点は歴史を勉強して確固としたものを持とうという内容。これはもう記念碑的な本になってて、今はいくらでも学べる本なり情報なりが他にあると思います。2023/05/03
オペラ座のカニ人
3
対談の部分が秋山氏しか掲載されてなく残念であった。料理を習っている私にとっては大変に参考になる本であり、今後フランス料理をもっともっと勉強したくなりました。実際フランスに行ってフランスの食材を使って作ってみたい。そんな願いも出てきました。その日が来るまでは日本で今学校で習っている西洋料理を作ってみていきたいと思います。2023/09/11
マサト
3
この本は題名の通り、フランス料理について書いてある。 けれど、『他国の文化を学ぶ』という共通点さえあれば、他のどの分野にも当て嵌まるやり方が綴られているように思う。 過去や他者との比較を、本を使って行う。 多くの本を読めば読むほど、違う理由が分かってくる。 同じ理由も分かってくる。 それが分からずして、新しいものを身に付けることはできない。 勉強になります。2015/12/21
まーぼー
2
海老沢泰久著 美味礼賛を読んでからというもの辻静雄という人にずっと興味がある。料理と歴史は切っても切れない。 巻末の参考書リストが著者の造詣の深さを物語っている。 以下備忘録 料理をすることは、自然を文化に変形する普遍的な手段 お金持ちの食べる料理と一般の人が食べる料理 特許権が料理にはない コスパの問題。どこで折り合いをつけるか 昔は医師が料理書を書いていた 切れ目のないヨーロッパ 2017/06/16