出版社内容情報
哲学者の名言・箴言には、そのひとの比類なく独創的なエッセンスがつまっている。古代ギリシア哲学から20世紀思想まで。イタリアの奇才がエピソード豊かに語るやさしい西洋哲学入門の書。
内容説明
ソクラテス、プラトン、デカルト、ショーペンハウアー、ハイデガー…。小難しく思える哲学も、賢者達の名言から辿れば、聞いたことがある言葉が一杯である。古代ギリシャから二〇世紀思想までの西洋哲学をちょっと真面目に、けれどユーモアたっぷりにアプローチする入門書。これさえあれば、哲学なんて怖くない。
目次
ヘラクレイトスとパルメニデス―哲学の夜明けの対決
ピタゴラス―すべては数だ
ソクラテス―あらゆる名言の母「汝自身を知れ」
プロタゴラス―人間は万物の尺度である
プラトン―すべてはイデアの影にすぎない
アリストテレス―中庸の教え
ゼノンとエピクロス―柱廊の哲学と庭園の哲学
アウグスティヌス―天国を考える哲学者
トマス・アクィナスとオッカム―中世の哲学者
フィチーノとエラスムス―人文主義の双璧〔ほか〕
著者等紹介
エマヌエーレ,ピエトロ[エマヌエーレ,ピエトロ][Emanuele,Pietro]
1948年イタリアのパレルモに生まれる。メッシーナ大学正教授。長年哲学の研究と教育に携わってきたが、哲学の普及にも力を注いでいる
泉典子[イズミノリコ]
東京外国語大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hirayama46
5
はじめてのピエトロ・エマヌエーレ。古代から近代までの哲学者たちの名言や愉快なエピソードを紹介した、哲学を扱った本としては馴染みやすいものでした。わかりやすく骨子を概説しているとはいえ、これだけの人数の思索を一冊で追うのはなかなか気力がいることです。長い歴史だからなあ……。2019/12/04
だっぱら
1
名言で辿る西洋哲学史の本。西洋哲学の入門書としてはとっつきやすいと思います。しかし、時代が下れば下るほど難解に・・・ハイデガーとか意味ワカラン。ライプニッツなど数学史上でも有名な人も出てくるので、数学の偉人伝と合わせて読むと興味深い。2009/09/11
lsfid
0
ヘラクレイトス等の古代からハイデガー、サルトル等の現代までの流れがよく分かる。またところどころに各著書の解説があり参考になる。 過去の哲学の中には今考えると眉唾物もあるが、それは決して完全に否定するものではないと思う。 哲学の歴史とは人間の知の歴史である。 著者も言っているが〈思想も絵画と同じように古くなることはない。〉何か問題がぶつかるたびに、解決の糸口として過去の哲学者たちの言葉を探すだろう。2022/07/02
bittersweet symphony
0
原書名は“COGITO ERGO SUM”、考えずにはいられない/考えることに自分の存在意義を見出している人たちの列伝。邦題ではありがちですが、タイトルのシニックなニュアンスは見事に汲み取られておりません。主客の閾値と実在性を軸とした議論が、数千年間その枠組みを超えようとする努力によって逆にその枠組みが複雑かつ強固に再構成されていく様をたどることが出来ます。宗教を担保にしないでペシミスティックな思考から逃れるには、極論すると狂気に走るしかないというような見も蓋もない結論にたどりついちゃうというお話。2010/11/17