出版社内容情報
宗教改革と三十年戦争の嵐が吹き荒れるヨーロッパとロシア。輝ける啓蒙文化を背景に、大国に変貌してゆく各国の興隆を、鮮やかに描きだす。
内容説明
宗教改革と三十年戦争の嵐が吹き荒れたヨーロッパとロシア。混乱のなか、まだ貧しかった西欧諸国は、絶対王政を確立し、輝ける啓蒙文化を背景に、大国へと変貌してゆく。それは猛々しい啓蒙専制君主たちによる、あくなき領土拡張争いのはじまりであった。
目次
宗教改革と宗教戦争
二つの辺境国家―スペインとイギリス
グダンスク、ウィーン、モスクワ
もしもアルマダが上陸していたら
戦乱の世紀
ルイ十四世の世紀へ
戦乱の中東欧世界
二つの海洋国家―オランダとイギリス
ピョートル大帝のロシア
フランス―啓蒙の時代
十八世紀フランスの日常生活
啓蒙君主たちのポーランド分割
著者等紹介
長谷川輝夫[ハセガワテルオ]
1941年、千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業。パリ第四大学第三シクル博士課程修了、同博士(文化史)。現在、上智大学文学部史学科教授。専門、フランス史
大久保桂子[オオクボケイコ]
1955年、東京都生まれ。東京女子大学文理学部卒業。慶応義塾大学大学院博士課程満期退学。現在、国学院大学文学部教授。イギリス近世・近代史を研究
土肥恒之[ドヒツネユキ]
1947年、北海道生まれ。現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。ロシア・東欧社会史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
12
非常にわかりやすく書かれています。宗教改革から始まり、スペインの興隆、ルイ14世の世紀、オランダとイギリスという二大海洋国家、ピョートル大帝のロシア、エカテリーナへと18世紀までの豪華絢爛たるヨーロッパの発展が描かれています。読みがいがあります。2冊分くらいでしょう。2013/12/27
coolflat
10
ルターの宗教改革からポーランド分割までの欧州の歴史。ヘンリ8世、エリザベス女王、アンリ4世、ルイ14世、イヴァン雷帝、ピョートル大帝、マリアテレジア、フリードリヒ大王、エカチェリーナ2世など、絶対君主や啓蒙専制君主が活躍した時代を扱っている。78頁。アラゴンには小国ながら欧州の国際関係に長けた老獪さがあった。異教徒を追い払うことを目指して、常に南を向いてきたカスティーリャのエネルギーは、アラゴンとの連合の結果、イタリア、フランス、さらに北の神聖ローマ帝国、イングランドへと、その発散の出口を北と東に広げる。2017/02/26
Z
6
いい本だった。16世紀以後の歴史に深く影響する宗教改革とアメリカ大陸の発見が書かれ、富の増大を背景に、各国が官僚制を整備していく過程、絶大王制が成立していく様、宗教内部での改革が利害入り乱れた国際政治に利用され、国際紛争に発展していく過程が見事に描かれ、そしてなりより、アカデミーの設立、メディアの発達等、文化的な歴史をしっかり書いているのがありがたい。「世界の歴史」シリーズでも、抜きん出た巻だと思う。2016/03/27
kapo54
4
スペインの最盛期からオランダ独立までの流れは知らないことが多くて勉強になった。2017/08/17
ななっち
4
ヨーロッパの歴史というのは戦乱に続く戦乱という歴史であることを改めて実感しました。100年戦争、30年戦争、またローマ帝国が滅びて(476年)から1000年の間に10年平和が続くことがなかったという歴史ですから、日本人にはなかなか理解しがたいものがあるかもしれません。2013/04/23