出版社内容情報
六〇年安保闘争を、その発端から対決・暴走・論戦・強行・決起・激突・終焉まで、様々な角度から緻密に検証し、あの闘争の本質を解き明かす。
内容説明
「六〇年安保闘争」は、戦後の日本がいちどは通過しなければならない儀式だった。太平洋戦争の指導者に弾劾を加え、さらに占領後期の内実を確認するために、あの闘争は必要だったのである―昭和史のなかでもっとも多くの人々を突き動かした闘争の発端から終焉までを検証する。最終章「補筆 六〇年安保を想う」を加筆。
目次
1 発端
2 対決
3 暴走
4 論戦
5 強行
6 決起
7 激突
8 終焉
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年12月、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。評論家、ノンフィクション作家。出版社勤務を経て著述活動に入る。主に近代史(特に昭和史)の事件、事象、人物に題材を求め、延べ四千人の人々に聞き書きを行い、ノンフィクション、評論、評伝などの作品のほか、社会的観点からの医学、医療に関する作品を発表している。現在、個人誌『昭和史講座』主宰。立教大学非常勤講師、朝日カルチャーセンター講師などを務める。2004年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とくけんちょ
51
六十年安保闘争とは、一体どういうものだったのかという筆者なりの総括。タイトルの誰にとっても事実となり得る真実というのとは、ちょっと違う。日本が戦後必ず通るべき道であったという。敗戦を経て、日本人としてのアイデンティティが破壊され、戦前から戦後へ変革するための鬱屈した感情の爆発であったと感じる。皆が皆、怒っていたのだろう。そのガスが抜けて、咀嚼、消化して今がある。読んで、そう思う。2021/09/08
スズツキ
6
現状とかなり被る事態になってきた。極左陣営の事実を曲解した広報戦略により民衆扇動が行われた結果の動きである安保闘争。運動主導者の幹部クラスは後にこぞって「安保条文を読んだこともないし、意味も分からなかった」と述懐している。現在この安保改定に反対する向きはほぼ皆無であるし、当時の否定派陣営ですら広報することはなくなってきた。それにしてもダレスからの再軍備を吉田茂が退けて、芦田均らがそれに異を唱えるというのは今を考えると全く違う構図で面白いよね。2014/09/24
Yasuhiko Ito
4
今ならちょっと考えられないことだが、60年安保闘争があったこの時代、各地に大規模な「団地」ができた。こうした団地の住民はおしなべて「意識高い系」の人たちであり、団地住民の自治会は、岸内閣の退陣を要求する集会を催していたそうな。大学の自治会じゃないよ、団地の自治会がだよ!2018/07/27
浦和みかん
2
戦後の文芸(私の場合は短歌だが)を語る上で六十年安保闘争は避けて通れないので、その理解のために読んだ。安保闘争の問題は、安保そのものというよりも岸内閣の審議の進め方(戦前体質の思想・発言、強行採決、など)が多くの国民の怒りを買ったのだった。 当時の岸首相の強権とか学生闘争の激しさには思わず笑ってしまう(現代でこのような激しいデモが起こることは想像できない!)ところもあったが、そういうシニシズムはよくないな、と反省もした。2021/06/06
丸坊主
0
「日本の社会が何か本当のものを見ないで歩み続けることになった」という言葉が、言葉にできなかった私の実感をうまく掬い取ってくれたような気がしました。基本的には起こった出来事を客観的にまとめた内容で、筆者の思いはあまり前に出てきません。最後のほうになって出てくるのですが、こういった書き方というか表し方にすごく好感を持ちました(えらそうな書き方ですいません)。「あの闘争はなんだったのか?」という純粋な疑問を抱く私にとっては、とてもいい本でした。2012/06/20




