出版社内容情報
別れたつもりでも、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの嫌がらせだった。表題作の他八つの短編集。〈解説〉千街晶之
内容説明
別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」という嫌がらせの手紙だったというが…。表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。
著者等紹介
今邑彩[イマムラアヤ]
1955(昭和30)年、長野県生まれ。都留文科大学英文科卒。会社勤務を経て、フリーに。平成元年鮎川哲也賞の前身である「鮎川哲也と13の謎」に応募し13番目の椅子を『卍の殺人』で受賞。以降、推理小説を中心にホラーなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
97
8話の短編でそれぞれ読みきりであるにもかかわらず、どこか繋がっていて最後にアッと言わせる連作短編集。どんでん返しあり、人の業や嫉妬など隠されてはいるけど滲み出てくる本質が浮き彫りに。表題作「つきまとわれて」と「吾子の肖像」が好きだが、「帰り花」での紫のコートの疑問が「生霊」で収拾される。上手くできてる。2020/03/22
H!deking
97
つながっていそうでつながって無さそうで最後にちゃんとつながる連作短編集。いやこれ面白かったですよ!大きな事件とかは無いんだけど、地味にチクチク刺さります。いやー、今邑さんこういう話上手いな〜!2018/10/09
ちーたん
94
★★★★☆表題作含む8つのどんでん返し系短編集!2話まで読むとおっ!と気付く本書の仕掛け!前に登場した人物がリレー形式で登場!次は誰だろう?と推理するのもまた楽しかった🎵各話短いのでスキマ時間にサクッと読めるのもイイ!今邑作品は無駄が一切なくシンプルな文体で読みやすい✨割と見破った話もあったけど、最後の最後にまさかの展開がやってきて、天狗になった私の鼻は見事にポキっと折れました笑。収録作は『おまえが犯人だ』『帰り花』『つきまとわれて』『六月の花嫁』『吾子の肖像』『お告げ』『逢ふを待つ間に』『生霊』2020/02/13
金吾
93
○それぞれの話が少し少し交差する短編集です。どの話もすんなり行かないので一気に読んでしまいます。伏線回収が上手い作者ですので、描写から類推してしまったので結論のうちいくつかはわかりましたが、これは表現していることに無駄がないのだろうなと思いました。「おまえが犯人だ」「つきまとわれて」「六月の花嫁」「吾子の肖像」が良かったです。2022/12/09
ニカ
90
前章のキャラクターが次章でメインになっているのが面白い。「つきまとわれて」「お告げ」が特に良かった。2021/04/27