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中公文庫
五郎治殿御始末

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  • サイズ 文庫判/ページ数 269p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122046412
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

明治維新とは、武士という職業が消えること。最後の御役目を終えた老武士の、己の身の始末とは。時代の境目を懸命に生きた人々を描く感動の時代小説集。

内容説明

男の始末とは、そういうものでなければならぬ。決して逃げず、後戻りもせず、能う限りの最善の方法で、すべての始末をつけねばならぬ。幕末維新の激動期、自らの誇りをかけ、千年続いた武士の時代の幕を引いた、侍たちの物語。表題作ほか全六篇。

著者等紹介

浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京生まれ。中央大学杉並高校卒。95年『地下鉄に乗って』で第一六回吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で第一一七回直木賞、2000年『壬生義士伝』で第一三回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きむこ

42
柘榴坂の映画化を知って再読。「武士」が消滅した明治維新。文明開化が進められ、身分を失い、録も家も失い、新体制に翻弄された武士達の短編集。武士道を邁進していた人ほど、不器用に抗って憔悴して行く。教科書で「士農工商廃止」の一言で教えられた歴史の、具体的な混乱の一部分を垣間見させてもらい、胸が締め付けられた。「後始末」ではなく「御始末」という言葉がぴたりとはまった短編集でした。ちなみに「柘榴坂は夫婦愛の物語だと思う」と中井さんが言っていたけれど、私も改めてそう思った。2014/09/28

yamatoshiuruhashi

6
映画「柘榴坂の仇討」のトレーラーが気に入って、7年ぶりに再読。安政の大獄を引き起こした井伊直弼の彦根藩が、戊辰戦争では真っ先に官軍に寝返ったのは笑止であると思っていたが、桜田門外の変の後始末で幕府に足元すくわれ、その意趣返しと思えばわからぬでもない。しかし、浅田次郎の官軍憎しの論理に騙されたような気もする。それはさておき、「柘榴坂」。やはり名作。2014/08/15

まっちゃん

4
今作も胸にくるお話ばかりだった。好みなのは表題作でもある「五郎治殿御始末」かな。時代が代わった時の侍たちの心に一端ながらも触れられた気がした。2019/03/28

うたまる

4
明治という新しい時代に器用に順応できない武士たちの、焦燥と停滞と転進を描いた連作集。と言えば聞こえはいいが、実際は既得権益者の未練喜劇といったところ。出自だけが取柄の武士階級が自力で生計を立てなくてはならなくなり困窮するのだが、そもそも百姓は生きるために今までも必死に働いていたし、商人は儲けるために知恵を絞っていたので、あまり同情できない。ただ、武士が変革に際しノスタルジーを感じるのは理解できる……「難しいことはわからないが、世の中は変わっていくのではなく、毀れていくのだと思った」(椿寺まで)2012/07/01

うっかりまー君

3
映画の柘榴坂の仇討ちをみてから読みました。2014/11/01

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