内容説明
平安朝末期の混沌とした時代に成立した「今ハ昔」で始まる物語。貴族から庶民まで、あらゆる階層、職業の人びとの暮らしぶりや哀歓が、素朴で明快な文体でいきいきと描かれている。一千二百余話から四十五話を選び、その興味尽きない面白さを鮮やかな筆致でよみがえらせ、古典文学の奥深さへといざなう。
目次
時平左大臣が、国経大納言の妻を奪う
蕪の子
典薬寮に行って病気を治す女
橘季通女の部屋から逃げる
橘則光が人を切り殺す
相撲取の妹の怪力
碁の名人寛蓮を負かした女
安倍晴明、忠行の弟子になる
悪霊となった人妻の害を除く
登照が朱雀門の倒れるのを占う〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おとん707
10
瀬戸内寂聴が今昔物語の1200余話から45話を選び出して現代語に嚙み砕いた本。どの話も「今は昔、」で始まり子供に話しかける童話のよう、と思って第1話を読んだらいきなりエッチな話。その勢いで先を読み進めたが、みんながエッチな話ではなくて怪談や仏の教えや中国故事など彩り豊か。「西遊記」の玄奘三蔵の話もある。雑誌の連載として書かれたためか読みやすい。話の数にして全体の4%にも満たないが、いきなり今昔物語全文に挑む勇気のない私には良き入門書となった。寂聴さんも今年99歳だけれども続きを期待したくなってしまう。2021/05/25
かりかり
3
☆☆☆2019/08/03
星辺気楽
3
今昔物語の寂聴版現代語略本。いやいや今の言葉にすると、とても口にできないことばかり・・・。日本文学恐るべし。2014/02/06
りい
2
起承転結がはっきりしており読みやすかった。後ろの方のページになると人間の悪い部分がでているようにかんじ、ちょっと悪寒がした。特に亀の恩返しがそう感じた。 相撲取りの妹と蟬丸の話が好きだな。2021/07/09
よじ
1
声に出して読む用。さらっと一読。 寝る前にちょっとずつ読むのにちょうど良い。2019/05/18