出版社内容情報
「僕は以前は犬だったんだよ」…とことんオフビートで限りなく繊細。村上春樹が見出した、アメリカ現代詩界を代表する詩人の異色の処女〈小説集〉。
内容説明
「実を言うとね、僕は以前は犬だったんだよ」「犬ですって」「うん、コリーだったんだ」―とことんオフビートで、かぎりなく繊細、村上春樹があらたに見出した、アメリカ現代詩界を代表する詩人の異色の処女“小説集”。
著者等紹介
ストランド,マーク[ストランド,マーク][Strand,Mark]
1934年カナダプリンス・エドワード島生まれ。エール大学、アイオワ州立大学などで学ぶ。64年に刊行、高い評価を受けた最初の詩集Sleeping with One Eye Openに続き、数々の詩集を発表、アメリカ現代詩界を代表する詩人の地位を獲得する。詩人として多くの賞を受賞する一方で、児童文学作家、翻訳者、編者、評論家など多彩な顔を持ち、「ニューヨーカー」ほか各誌に散文も寄稿
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年、神戸生まれ。早稲田大学卒。79年『風の歌を聴け』で「群像」新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
32
作品を読んだ限りでは、村上春樹がなぜこの短編集をあえて翻訳しなければならないのかがよくわからない。訳者あとがきを読めば、たしかにその意図するところはわからないでもないが。訳者である村上春樹が、これらの作品の「物語性」よりは「語り口」に意味を見出しているのだとすれば、日本語の文体でそうした「奇妙な味わい」を伝える実験的な試みだったということになるのだろう。では、読者として楽しめたかというと……。2012/05/17
トンちゃん
26
タイトルに惹かれて買った1冊。後に村上春樹氏の翻訳としる。 読んでで頭の中にクエスチョンマークしか浮かびませんでした。元々、詩を読めない(理解できない)のに本作(詩的な散文?なんのこっちゃ!)を手に取ったのが原因かと。 村上春樹氏も書いてますが、訳者自身、なんのこっちゃと思う短編もあったそうで、翻訳するのには苦労したみたいです。ということは、詩に興味のない人間が読んだら、よりなんのこっちゃと思っても仕方がないのかなと思うことにします笑 『猫とともに去りぬ』的な小説かと思うと全然違うのでお気をつけを!2020/05/04
紫羊
19
詩人が書いた奇妙な物語。どの話も訳がわからなかったが、わからないなりに「将軍」が気に入った。連戦連敗の将軍が何とも可愛らしい。2024/02/28
ジュンコ
18
作者は詩人。短編小説ではなく散文的語り。村上春樹の実験的翻訳。そうやって楽しむ本。2016/05/11
ヨノスケ
17
作者のマーク・ストランドは本来は詩人であるらしい。そのためか、この短編集には詩的な表現が存分に使われている。この馴染みのない文章表現も村上春樹さん訳にかかると独特なワールドへと導かれてしまうから不思議だ。。1話目の「更なる人生」は春樹さんの名作「1973年のピンボール」の読後感に似ている印象である。独特な独白の言い回しなどハルキストにとって読んで損はない小説であると思う。2024/02/10