内容説明
伊賀者の子孫・鹿間狸斎は四十で家督を子に譲り、草深い奥州、笹野に住み着いた。江戸から村の隠居屋敷に戻った狸斎のもとに、ある日、山中で白骨化した手首が見つかったとの知らせが…。黄金の谷を巡る、隣藩、天領、幕府隠密をも巻き込む陰謀の渦に、狸斎はどう立ち向かうか。
著者等紹介
高橋義夫[タカハシヨシオ]
昭和20(1945)年千葉県船橋市生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。月刊誌の編集者を経て、執筆活動に入る。『闇の葬列』『秘宝月山丸』『北緯50度に消ゆ』で直木賞候補に。平成4年『狼奉行』にて直木賞(第一〇六回)を受賞
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
7
間謀・伊賀者の子孫であり、昌平坂学問所の秀才鹿間狸斎が江戸から奥州の隠居所に戻ると、山中で白骨化した手首が見つかったとの報せが……難事件に狸斎はどう立ち向かうか。神隠し、消えた死体、天領と小藩を巡る陰謀の行方をめぐって、御隠居が活躍する痛快時代小説。賀者の子孫で元・幕府隠密、鹿間狸斎の活躍を描くシリーズ第2弾『黄金谷秘録』(実業之日本社)を改題。2006/08/12
ひさか
2
1997年7月実業之日本社刊の「続・ご隠居忍法 黄金谷秘録」を改題して2001年10月中公文庫から刊行。シリーズ2作め。黄金谷秘録を既読だったが、今回も楽しめた。40代の元お庭番隠居後の出来事をあっさりした表現で綴る当シリーズは、興味深く、面白い。今作は、長編で、わくわく、ドキドキしながら、読了しました。2017/01/30