内容説明
ほどなく起る最後の世界大戦争とその後に到来する永久平和時代―。太平洋戦争の前夜、国防の危機を背景に、日蓮信仰と戦史研究から生まれたこの特異な予言の書は、満州事変を主導し日本の運命を変えた、昭和陸軍の異端児石原を理解する要石である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
14
石原莞爾の代名詞ともいうべき二つの文章を収録。この二書を読めば、満州事変当時の石原莞爾の論理がある程度把握できる。一読して、随所にドイツの歴史学者ハンス・デルブリュックがたびたび引用されており、影響を伺わせる。2016/08/07
ともゑ
7
石原莞爾が何故天才と呼ばれるのか、彼の逸話からも窺い知れるがこの2作を読んで直にその思想に触れて判断すべきかもしれない。何かと精神論で乗り切ろうとしがちな日本陸軍において、しかも太平洋戦争前の時代にここまで先を見据えたビジョンを組み立てていたのは流石の人物だと感じた。日本の組織内では浮いてしまっただろう。しかし主張の根拠となると宗教(日蓮宗)と理想を持ち出して来るのが残念なところ。結局現実は今でも戦争が続いている。もしかしたらこれから世界統一の最終決戦へ向かう途中なのか、それはわからない。2020/01/09
三五郎
3
この本の中で著者がアメリカと日本との最終戦争について言っているがこれは一体いつ頃のことであろうか。今でいう原子爆弾や飛行機による決戦を予想しているのには恐れ入る。日本とアメリカには当時莫大な国力の相違があったはずなのに上述の決戦戦争を想定したとは想像もできないことで、正に神がかりなこととしか思えない。2011/02/06
幸太郎
1
「日本の知識人は今日まで軍事科学の研究を等閑し、殊に自由主義時代には歴史に於いての戦争の研究を殊更に軽視していた。戦争は人類の有するあらゆる力を瞬間的に最も強く総合運用するものであるから、その歴史は文明発展の原則を最も端的に示すものというべきである」至言かと思われる2015/11/21
冬至楼均
1
当たっている部分も有るけど、一番遠いのが東亜の情勢と言うのが。2013/03/14