目次
第1章 序論―社会学の認識論(要約)
第2章 集団的責任
第3章 集団の拡大と個性の発達
第4章 社会的水準
第5章 社会圏の交錯
第6章 分化と力の節約の原理
著者等紹介
ジンメル[ジンメル][Simmel,Georg]
1858~1918。ドイツの哲学者、社会学者。ベルリン生まれ。父は裕福なユダヤ人の毛皮商。ベルリン大学で歴史、民族心理学、哲学を修め23歳で哲学博士となる。27歳で同大学哲学講師となり、32歳で『社会的分化論』を刊行。42歳で員外教授、56歳でようやくシュトラスブルク大学哲学科の正教授に迎えられた。「生の哲学」者として知られる一方、現代社会学の有力なパラダイムである交換理論や闘争理論の祖型を生み出した「形式社会学」を提唱し社会学の学問的自立に大きく貢献したことで名高い
石川晃弘[イシカワアキヒロ]
1938(昭和13)年、千葉県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京都立大学助手をつとめた後、中央大学講師、助教授、教授を経て現在名誉教授。産業社会学、中東欧研究専攻
鈴木春男[スズキハルオ]
1938(昭和13)年、東京都生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京大学文学部助手をつとめた後、千葉大学講師、助教授、教授を経て、千葉大学退官後、自由学園最高学部長。現在千葉大学名誉教授。産業社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
57
ジンメルの若いころの作品で、社会学の概念とはどのようなものかを説明していますが、彼の書いたものを読む限りでは理解するのに時間がかなりかかりそうです。大鐘先生の最初の解説がよくわかりやすく書かれていて、これを読んで少しづつ読んでいかざるを得ないと感じました。再読候補本です。2015/10/02
nranjen
3
大学図書館本。冒頭で説明されているように、オーギュスト・コントが亡くなったなくなった年(次の年)に生まれた社会学者。社会学の前提、そもそも社会というのは存在せず「実在するのは個々人の寄せ集め」などという説がまかり通っていた時代に社会学を始めたということは相当なものである。フランスのガブリエル・タルド(1843年生まれ)と同時代?と思いきやエミール・デュルケムと同い年。「模倣は低次元な精神的機能」だそうで。「社会圏の大きさは利己的目標が利他的回り道一系列によってのみ達成されうるときの大きさ」現代社会にも共通2020/10/19
へっぽこガエル
3
四苦八苦しながら読んだ記憶がある。読み終わるまで3ヶ月くらいかかったか…。文体もがちがちな感じで、内容も難しい。理解の程度はかなり怪しいので、正確なことは言えないが、集団の規模が拡大し、機能が細密に分化していくなかで、個人の立ち位置や性質はいかに変化していくのか、的なことが色んな観点から論じられている。集団と個人の関係。実は、本書の提示するこのような枠組みに基づいて部活やサークルの望ましいあり方を論じる、的なことを卒論のテーマにしようかとも思ったのだが計画段階で破綻した。(←どうでもいいですよねw)
林克也
1
100年前も今も、社会を構成する人々の”中身”は全く変わってないことがよくわかる。人類の歴史にとっては一瞬である100年という時間で明らかな変化が見られるほうが異常だが。 ジンメルの怒り、苛立ちが満載の論文だが、「未開民族」という表現を目にすると、ジンメルって、おまえもある面では未開民族なんだぞ、って思う。生物の一種であるヒトという種族の本当のところがわかっていないんだろうな。彼は。2014/05/24