内容説明
世界の10%以上の資産を持っているのに、たった1億数千万人を満足に生活させられない国・日本。必要なのは経済成長や消費増税ではなく、経済循環を正しくすることなのだ。「富裕層」と「大企業」がため込んで、滞留させている富を引っ張り出し、真に社会に役立てる方策を考える。
目次
第1章 激増する億万長者
第2章 大企業は巨額の資産をため込んでいる
第3章 デフレの本当の真実
第4章 日本経済が抱える二つの爆弾
第5章 消費税が日本を滅ぼす
第6章 消費税ではなく無税国債を
第7章 普通に働けば普通に暮らせる国へ
著者等紹介
森永卓郎[モリナガタクロウ]
獨協大学教授、経済アナリスト。1957年、東京都生まれ。80年、東京大学経済学部卒業。テレビ・ラジオでも活躍中
武田知弘[タケダトモヒロ]
1967年生まれ、福岡県出身。91年大蔵省に入省し、バブル崩壊後の日本経済の現場を見て回る。98年から執筆活動を開始し、99年に退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
25
現在の日本経済の苦境の原因を富の偏在にありととらえ、その打開策を示した一冊。著者の言うとおり、大企業と富裕層が潤っても、そのおこぼれが庶民に回っていないのが、ここ十数年の実態であり、それゆえに全体としての消費活動が伸びず経済が停滞するという悪循環に陥っている。だからこそ、一部にため込まれたお金を社会に循環させる仕組みが必要なのだが、それに逆行する経済政策が続けられていることに暗たんたる思い。著者が提唱する「無税国債」が打開のカギになるかはわからないが、日本経済のゆがみに切り込んだ良書としておススメしたい。2015/01/24
yamaneko*
24
他国の課税システムとの比較データがわかりやすかった。消費税増税を見込んで省庁の予算要求が増大するなど、課税の公平性より徴収ばかり目論む国のあり方に、先行き不安に陥ってしまう。2014/04/07
にゃおん
5
選挙前に読んで良かったかも。後書きの森永氏の発言はなかなか過激な感じだが、新富裕層って確かにそういう輩かもしれないなぁ。2016/06/26
R.
3
経済の話だけど,すごくわかりやすかったです。2018/09/05
しおり
2
バブル崩壊後の日本はずっと不景気だと思っていたけれどそれは大きな間違いだった。貿易は黒字だった、ではなぜずっと不景気だったかというと企業は内部留保をためこみ社員への給料をおさえてきたから。先進国のなかで給料が減っているのは日本だけ。そして日本では高所得層への税負担率は年々低くなっている。結果、所得の低い若者は結婚や出産を考えられず少子化が益々進み、日本の未来はないと感じる。今は日本は安全と言われているがこのまま貧富の差が進めば治安も悪化するだろう。2018/10/13