中公新書<br> 勝海舟と幕末外交―イギリス・ロシアの脅威に抗して

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中公新書
勝海舟と幕末外交―イギリス・ロシアの脅威に抗して

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121022974
  • NDC分類 210.593
  • Cコード C1221

内容説明

幕末、日本近海ではイギリスとロシアが激突していた。クリミア戦争ではカムチャツカ半島も戦場になり、アロー戦争では清国と英仏の講和に介入したロシアが広大な領土を清国から得た。「日本の味方はどこの国か」を巡って幕府内では親英・親米・親露の各派が対立。そして、ついにロシアは日本に触手を伸ばし、対馬を占領、軍事基地を築きはじめる。植民地化の危機が迫るなか、独自の知見と人脈を持つ勝海舟が動く。

目次

第1章 勝海舟の外交事始め
第2章 アロー戦争の衝撃―一八五八年夏
第3章 ムラヴィヨフ艦隊の来航―一八五九年夏
第4章 ムラヴィヨフの要求―一八五九年秋
第5章 ポサドニック号事件の勃発―一八六一年冬‐春
第6章 勝海舟による交渉―一八六一年夏

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

51
もしこれが歴史小説なら、文章はともかく素晴らしく練り込まれた面白いものだと思う。しかし歴史書としては、推論の積み重ねが多く、実証性に欠ける部分がその背景の説明から多く、史料の明らかなことであってもその先の展開のため脚色があるのであまり評価できない。また反復が随所に目立ちちょっと冗長。本書のえがく幕末のロシアによる対馬一時占拠への対応が、史料の乏しい中かなり真相に近いとも思えるのだが。むしろ面白かったのは、ロシアの前にフランスが対馬を対朝鮮侵攻の拠点として対馬を租借しようとしていたことが詳述されていたこと。2021/05/04

佐島楓

38
この本を読むと、勝海舟が特別に幕府に徴用されていたことがよくわかる。幕末、日本は列強諸国の狭間でどれだけ危ない橋を渡っていたかということも。勉強用としても読み物としても役に立ちました。2015/06/30

maito/まいと

17
幕末、江戸幕府と海外諸国との間で繰り広げられた熾烈な外交戦を研究した1冊。著者が海舟を徹底研究したが故に、海舟に評価が寄りすぎていたり、井伊直弼の評価がメタメタだったり、など引っかかるところはあるけど、露英米の関係値と国際情勢の変化が緻密に分析・紹介されており、当時の日本が首の皮一枚でつながっていたことがわかる。教科書や普通の歴史解説だと、幕府の弱腰外交や、諸外国の強引外交のイメージが強いけど、双方に事情があり、微妙なバランスを読み合いながら高度な外交活動をしていたことがわかる。勉強になった1冊だ。2020/01/14

叛逆のくりぃむ

7
 全體としては推論が多い。もう少し手堅い本を期待してゐたのだが。2015/02/21

春風

5
勝海舟の幕末外交ではなく、勝海舟“と”幕末外交。幕末外交を描くために、ネームバリューのある勝海舟を盛り込んだように感じられる構成。内容は安定の中公新書クオリティ。本書のスタンスとしては、「〜の理由から史料は残っていないのだろう」といった史料に拠らない推測での展開が多い。所々、論理破綻していないか?と思える箇所も無いでは無いが、全体としては、史料の空白期を埋めるに相応しいと思われる説が次々と提出されており、興味深かった。現代にも通じる、本邦の領土問題の始まりのお話。2015/05/07

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